2025年5月29日(木)、アパレルウェブ・イノベーション・ラボ(AIL)のコミュニティを起点に実現した、クラシエ薬品様と生活の木様による共同スペシャルセミナー「漢方とアロマで整える睡眠」にAIL編集部が参加しました。
漢方のプロフェッショナルであるクラシエ薬品と、アロマハーブの専門店「生活の木」による特別な2社合同イベントは、「睡眠の質を高めたい方へ向けて、漢方とアロマテラピーの視点から心と体を整える」をテーマに、「生活の木」原宿・表参道店で開催。セミナーに参加して得た学びとアロマワークショップの様子を、編集部がお届けします。
第一部:漢方で知る睡眠の整え方(クラシエ薬品様)
イベントは両社による二部制で開催。第一部では、「漢方で知る睡眠の整え方」をテーマに、クラシエ薬品の専門講師により、睡眠の悩みを改善するための漢方の考え方や、日常への取り入れ方を学びました。その背景にあるのは、近年の睡眠の質の低下だといいます。
クラシエ薬品の専門講師が登壇したセミナーの様子(生活の木様提供)
厚生労働省が発表した令和4年度の国民健康・栄養調査結果によると、日本人の5人に1人は睡眠による十分な休養がとれていないといわれており、特に、30代から50代においては、ストレスや生活習慣の乱れによる不眠の悩みを抱える人が多いといいます。かくいう筆者も、“早朝に目が覚めてしまう”“重要な仕事の前日は眠りが浅い”といった睡眠に関する悩みを抱えていました。
「不眠」は上記の4つのタイプに分けられる(投影資料より編集部作成)
漢方の視点から捉える“睡眠”
身体の不調の原因を調べるとき、「西洋医学」では数値などから“局所的”に分析するのに対し、漢方を含む「東洋医学」では、“全身のバランス(例えば五臓の調和)”から原因を捉えるという違いがあります。漢方では、「中庸(ちゅうよう)」という言葉があり、それは“「五臓(肝・心・脾(ひ)・肺・腎)」の機能がバランスよく調和している状態”であることを指します。中でも「心(しん)」は、「睡眠と精神の安定」に関わり、特に重要な臓器だといわれています。
漢方医学の五臓の概念。「心(しん)」は血液を送り出すポンプ作用を有するとともに、
精神や意識、思考活動を調整するとされている(投影資料より引用)
さらに、心の不調による不眠は二つに分けられると説明があり、筆者は“肝の働きの乱れから、心に熱がこもるタイプ”だと判明。このタイプは、「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」という漢方がおすすめとのことです。「竜骨(りゅうこつ、大型ほ乳動物の化石化した骨)」や「牡蛎(ぼれい、カキの貝殻)」などの生薬が、熱を鎮めてくれるのだそうです。
第一部の最後に、「恬淡虚無(てんたんきょむ)」という言葉が講師より紹介されました。これは、中国の古典に由来する言葉で、“わだかまりを捨て、欲望に振り回されず、さっぱりとした状態”であることを表すといいます。この精神状態こそが“「心」の健康=良質な睡眠につながる”というメッセージは、筆者の心にも強く残りました。
第二部:癒しのアロマテラピー(生活の木様)
第二部では、アロマハーブの専門店「生活の木」のアロマテラピーインストラクターによる、アロマ解説とワークショップが開催されました。
第二部では、生活の木のアロマセラピストが登壇(生活の木様提供)
厚生労働省発行の資料によると、働く世代に必要な睡眠時間は最低6時間だといいます。睡眠の質を高める工夫として、寝室の環境整備や日中の運動のほか、就寝前のリラックス法などを、アロマセラピストにそれぞれ解説いただきました。
心身を癒すアロマテラピー
アロマテラピーとは、「Aroma(アロマ、芳香)」と「Therapy(セラピー、療法)」とを組み合わせた言葉で、香りを通して心身のバランスを整える自然療法の一種です。アロマは就寝前のリラックスに効果的で、特に、「ラベンダー」「オレンジスイート」「ローマンカモミール」の精油は、心身の緊張を緩和し、睡眠環境を整えると言われています。。イベントでは、これらの3つの精油を、「ムエット」と呼ばれる香り試し紙を用いて嗅いでみました。筆者の好みは、爽やかな柑橘類の香りがするオレンジスイートでした。気分が前向きになるような香りです。
<安眠におすすめの精油とその効果>
ラベンダー(左):安眠・リラックス効果があり、ストレス緩和に最適
オレンジスイート(中央):不安や緊張を和らげ、明るい気分に導く
ローマンカモミール(右):イライラや落ち込みを解消し、心を穏やかにする
(投影資料より画像抜粋)
第二部の後半では、講師の指導のもと、紹介された3つの精油から好みの香りを選び、オリジナルの「ルームスプレー作り」を体験。筆者は、ラベンダーとオレンジスイートを選択し、それぞれを3滴ずつ精製水等と混ぜ合わせて完成! ふんわりと香るアロマが心地よく、自然と肩の力が抜けるような香りとなりました。
漢方とアロマ、それぞれが持つ強み
イベントを通じて、“睡眠”という一つのテーマに対し、漢方とアロマの異なるアプローチが交差することを実体験しました。漢方が、“体質という土壌を整える”ことにフォーカスしているのに対し、アロマは、“香りという感覚で心身を緩める”手段だといいます。改めて、“健康”に対する正解は一つではなく、さまざまな選択肢を組み合わせることで、多くの人に寄り添い、健康が実現されていくのだと感じました。セミナーで得た学びをもとに、筆者も今後の自身の健康管理に、漢方やアロマを取り入れていきたいと思います。
AILコミュニティをきっかけに実現した、ウェルネス領域のリード企業による異業種連携イベント。AILでは今後も、こうした異業種コラボレーションが生まれる機会や場を提供してまいります。改めて、クラシエ薬品様、生活の木様、貴重な学びの機会をいただき、ありがとうございました!
セミナーは、幅広い年齢層の方が参加しており、
終了後は、講師の方々に質問をする参加者の列ができていました(生活の木様提供)
セミナー主催企業:
クラシエ薬品株式会社:https://www.kracie.co.jp/kampo/
株式会社生活の木: https://www.treeoflife.co.jp
参照:
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001296359.pdf
https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/leaf-sleep.pdf?1699920000117
執筆者
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APPARELWEB INNOVATION LAB.|アパレルウェブ・イノベーション・ラボ
アパレルウェブ・イノベーション・ラボ(AIL)とは、ファッション・小売関連企業の経営層に向けて“イノベーションのヒント”を届けるため、アパレルウェブが2017年10月にスタートした法人会員制サービス。小売、メーカー、商社、デベロッパー、ベンダー企業など幅広い企業会員が集うコミュニティでは、各種セミナーや交流イベントを定期開催。メールマガジン、Webメディア、会員レポート冊子などを通じて毎週オリジナルのビジネスコンテンツを発信。