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世界初“ラグジュアリー日本酒”で 日本酒業界を救え! 古き良き業界を背負うイノベーター「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」のグローバル戦略【編集部独自取材】

AIL編集部
AIR Vol.68転載記事
執筆者

 

 日本企業の海外進出のヒントを探るべく、今回はグローバルブランディング戦略の観点から、「世界初のラグジュアリー日本酒ブランド」として「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」を手掛けるClearで代表取締役CEO兼ブランドオーナーを務める生駒 龍史氏(以下、生駒氏)を取材。

 同社は日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」のほか、国内最大規模の日本酒専門メディア「SAKETIMES(サケタイムズ)」、そして海外向けの日本酒専門メディア「SAKETIMES International(サケタイムズインターナショナル)」を運営しています。

 もともとお酒が苦手でビール一杯で顔が真っ赤になってしまう体質の生駒氏が、「命が燃え尽きるまで日本酒事業に捧げる」とまでに至った経緯とは?そして新たな市場を切り拓くべく海外に挑戦する「SAKE HUNDRED」のグローバルブランディング戦略についてお伺いしました。

■今回お話を聞いた方

生駒 龍史 氏
Clear
代表取締役CEO

いこまりゅうじ●1986 年、東京都生まれ。2013年に Clear を設立。2014 年に日本酒メディア「SAKETIMES」を、2018 年に日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」を創業。ベンチャーキャピタル等から総額 17.5 億円の資金調達を実施。国税庁主催「日本産酒類のブランド戦略検討会」委員(2023 年 8 月に任期満了)を務める。
「SAKE HUNDRED」公式ウェブサイト

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「IWC 2023」「Kura Master 2023」など
世界的な品評会で数多く受賞した「SAKE HUNDRED」が展開するフラッグシップ「百光」

まず、生駒さんの起業の経緯をお聞かせください。 

生駒氏:

 もともと私はビール1杯でも顔が真っ赤になるほどアルコール類が苦手で、私にとって日本酒は遠い存在でした。しかし大学卒業後、2011年に友人が持参した熊本県酒造研究所が造る「香露(こうろ)」という日本酒との出会いによって、初めて日本酒の美味しさに震えるような感動を覚えて、人生が変わりました。

 「香露」との出会いをきっかけに、日本酒の歴史、文化、製造技術などに深い興味を持つようになりました。そして一般の方に日本酒を好きになってもらう方法として、難しい専門知識や業界用語を使わずに日本酒の良さを分かりやすく伝える日本酒情報に特化した専門メディア、「SAKETIMES(サケタイムズ)」を2014年に立ち上げたのです。さらに世界中の人々にも日本酒の素晴らしさを伝えるために、「SAKETIMES」の英語版「SAKETIMES International(サケタイムズインターナショナル)」を2016年に立ち上げました。

 

国内最大の日本酒専門メディア「SAKETIMES

 

 

海外マーケットで日本酒文化を広める
英語発信に特化した日本酒専門メディア「SAKETIMES International

 

 「SAKETIMES」では国内にある数百の酒蔵を訪問。現地取材を行うことで日本酒の歴史や酒造技術への理解を深められ、日本酒の価値を再認識しました。同時に日本酒産業が抱えている深刻な構造問題も見えてきました。これまで日本酒産業は比較的安価な商品で成り立っていたのですが、近年日本酒の生産量が著しく減少傾向に転じ、取材先の酒蔵の皆さんは口を揃えて「経営的には厳しい見通しだ」と嘆いていたのが印象的です。というのも、低単価商品が中心の産業構造や、市場変化に対応できないという背景があることで、利益率が圧迫され、日本酒業界は決して持続可能な産業だとは言い難い実情があるからです。

 

「SAKE HUNDRED」が展開する 2 つのフラッグシップ

 

  一方、2017年に香港に出張した際、現地の酒屋を訪れると、4,000ドルを超えた高値で取引されている日本酒があることを知り、大変衝撃を受けました。「価値のある日本酒にはきちんと市場はある」ということが確信に変わった瞬間です。そこで日本酒産業の根本にイノベーションを起こすべく、美味しさと高付加価値を持ち合わせた日本酒の可能性に挑戦し、未知の市場を切り拓くというミッションのもと、2018年に「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」という日本酒ブランドを創業。

 現在は「百光(びゃっこう)」「百光 別誂(びゃっこう べつあつらえ)」の2つをフラッグシップに、9商品(2023年12月現在)を展開しています。

なるほど、これまでの日本酒市場には存在していなかった「ラグジュアリー市場」を切り拓いていくことが、「SAKEHUNDRED」の事業戦略の中核なのですね。その実現のために、具体的にどのような施策を行っているのでしょうか。

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