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lululemon(ルルレモン)の牙城を崩せるか?! アスレジャーブランド「Vuori(ヴオリ)」 新資金調達で評価額8,600億円に到達

ケルビン・アウ|AILメディアパートナー
AIL編集部により一部編集
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 近年、ジョギングやヨガなどのフィットネスや、健康的なライフスタイルへの意識の高まりから、アスレジャー市場が拡大しています。「アスレジャー」とは、“アスレチック”と“レジャー”を組み合わせた造語で、スポーツウェアやトレーニングウェアの融合を特徴としています。

 Precedence(プレセデンス)社の調査によると、2023年の世界のアスレジャー市場は約60兆円、2024年には約66兆円、2034年には約260兆円に達すると予想されています。2023年の米国アスレジャー市場は13兆円で、北米市場が32%の最大シェアを獲得しています。

「Vuori(ヴオリ)公式サイト
 

 そうした成長市場で現在、リーダー格の「lululemon(ルルレモン)」「NIKE(ナイキ)」と重複する顧客シェアを伸ばし、人気急上昇している新鋭ブランドの一つが「Vuori(ヴオリ)」です。

 「Vuori」は、2015年に米国カリフォルニアで創業したアスレジャーブランドで、80年代を代表するプロスケーターであるChris Miller(クリス・ミラー)氏と、サーファーでもあり起業家でもあるJoe Kudla(ジョー・クドゥラ)氏の二人が立ち上げたブランドです。“日常に溶け込むパフォーマンスアパレル”を謳い、ヨガウェアやフィットネス、トラベルなどトレーニングから日常着まで、機能性に富んだウェアを展開。同社は、2026年までに米国で100店舗、ヨーロッパとアジアを中心に50店舗以上の展開を目指しており、今後の成長が期待されている今最も注目のアスレジャーブランドです。

「Vuori」ニューヨーク・ソーホー店の様子(編集部撮影)
 

 2024年11月、「Vuori」はGeneral Atlantic(ジェネラル・アトランティック)社、Stripes(ストライプ)社、SoftBank(ソフトバンク)社など、複数の大手投資企業から8億2,500万ドル(約1,300億円)の資金調達を実施。同ブランドの企業評価額は55億ドル(約8,600億円)まで引き上げられることとなりました。

2020年から2024年までの売上成長率の推移
青:「Vuori」、グレー:スポーツウエア市場全体CNBCより引用)
 

 今回「Vuori」が実施した資金調達の用途について、今後のグローバル展開、および、今後のIPO(上場)準備に充てられるといいます。同社は未上場のため、財務データを公開していませんが、米国のアナリストの推計によると、直近の年間売上が10億ドル(約1,580億円)と着実に成長しているとされています。CNBCによると、2020年以降、同社の売上成長率は鈍化したものの、2024年10月末の時点では、米国におけるアスレジャーウェア市場全体の成長率が4.3%であったのに対し、同社は23%の成長率を遂げています。

 現在、米国のアスレジャーウェア市場は、「lululemon」を筆頭に、「Athleta(アスレタ)」、「Levi’s(リーバイス)」、「Beyond Yoga(ビヨンド・ヨガ)」の4社がシェアを独占する寡占市場となっています。強力なライバルたちに、急速に市場シェアを拡大している「Vuori」はどう展開していくのか。今後も引き続き注視していきます。


参照:
https://www.precedenceresearch.com/athleisure-market#:~:text=The%20U.S.%20athleisure%20market%20size,share%20of%2032%25%20in%202023
https://www.cnbc.com/2024/12/19/how-vuori-is-taking-on-lululemon.html
https://www.wsj.com/articles/lululemon-is-seeing-a-slowdown-in-its-womens-business-has-it-reached-its-ceiling-f99a48a8