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TikTok運営元ByteDance(バイトダンス) 売上高がMeta(メタ)を上回る 評価額50兆円の世界トップソーシャルメディア企業へ

ショート動画アプリ「TikTok」や今年日本に上陸した“ディスカバリーEコマース”の「TikTok Shop(ティックトックショップ)」の運営元である中国ByteDance(バイトダンス)は、継続的な収益成長を背景に、同社の企業評価額を3,300億ドル(約50兆円)以上へと引き上げる意向を示しました。
ByteDanceの第1四半期の収益は430億ドル(約6.3兆円)を超え、売上高では「Instagram」を保有するMETA(メタ)を上回る水準に達したと報じられています。
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Reuter(ロイター)通信によると、ByteDanceの収益は引き続き第2四半期も好調で、前年同期比25%増を記録。収益において世界最大のソーシャルメディア企業としての地位を固める中、さらに、非上場である同社は約6カ月前から5.5%上昇した最新の株価で自社株買いプログラムを行うことを提示。買戻しは秋に行われる予定だといいます。この急増により、同社の第2四半期の売上高は約480億ドル(約7兆円)に達したと関係者が明らかにしました。
また、2024年の年間売上高は合計1,200億ドル(約17.7兆円)を記録し、これはMetaの売上高を初めて上回るものとなりました。この数字は「TikTok」のグローバル展開および中国市場での「Douyin(抖音)」などアプリの急成長に支えられています。一方で、競合となるMetaは、欧米やアジア地域における競争激化や広告収入の減少に直面し、成長率が鈍化しています。
ByteDanceでは、新たなベンチャーや事業開発のために資金調達を積極化しており、今回の評価額設定は投資家に対して企業の成長力と収益力をアピールする狙いもあるようです。2025年に予定される資金調達ラウンドでは大型の投資が期待され、世界有数のテック投資家が関心を寄せています。加えて、同社は広告事業やエンターテインメント分野において、マーケティングの多様化と商業モデルの拡充を図っています。同社の収益拡大の要因には、主に、中国・グローバル両市場でのアプリ利用増加、広告売上の拡大、オンラインショッピングなど新規事業分野への進出が挙げられています。
「TikTok」は米国政府を中心とした規制や監視強化といったリスク下にあるものの、ユーザー数は依然として増加傾向を維持。関係者によると、これらの積極的な事業戦略は投資家からもポジティブな期待が寄せられ、今後もByteDanceの収益規模は拡大、企業価値もさらに高まっていく可能性が高いと見込まれています。今後の同社の資金調達にも成功の兆しが見えています。