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中国茶ブランド「HEYTEA(ヘイティ)」 ニューヨークで世界初の実験型店舗「TEA LAB(ティーラボ)」を開業

中国のお茶ブランド「喜茶(HEYTEA、ヘイティ)」が2月22日、米ニューヨークのタイムズスクエアに、新たなランドマークとなる海外初のラボ店舗「TEA LAB」をオープンしました。約600平方メートルの店内は「都心のオアシス」をコンセプトとし、伝統的な中国茶文化と現代的な実験室の要素を融合させた空間デザインを特徴としています。開店当日は早朝から行列が発生し、中国発の新しい茶飲文化がニューヨークの中心地で注目を集める様子が見られました。
「HEYTEA」ニューヨーク・タイムズスクエア「TEA LAB」店舗オープン初日の様子
(「HEYTEA」公式Instagram@heytea.usaより)
店舗デザインには、中国唐時代の詩人・韋応物(いおうぶつ)の詩句を引用し、竹編み工芸や茶殻を再利用した壁面装飾を採用しています。天井には中国伝統家屋の「梁(はり)構造」をモダンに再解釈した照明を配置。他にも、茶畑を連想させる木製テーブルを採用するなど、茶と禅の芸術的概念を表現した店舗空間となっています。
「HEYTEA」ニューヨーク・タイムズスクエア店の内観の様子
(「HEYTEA」公式Instagram@heytea.usaより)
特に、初展開の「TEA LAB」エリアでは、実験室のような金属素材のインテリアと、白衣を着用した調飲師が淹れる温かいお茶の香りによって、「冷たさと温かさ」「理性と感性」といった対照的な空間を演出しているところが特徴的です。専用に開発された「超鮮萃茶機(=超鮮茶抽出器、フレッシュティーメーカー)」によって最大限に引き出される豊かなお茶の香りは、「お客様のテイスティングをお茶の創造的な実験に結び付け、お茶文化の無限の可能性を示唆する」という意味をなしています。
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「HEYTEA」公式Instagram@heytea.usa
「HEYTEA」タイムズスクエアLAB店の製品ラインアップでは、定番人気の13品に加え、世界初登場の10品の「TEA LABシリーズ」を展開。「宁德工夫紅茶」や「径山抹茶」など、100種以上の茶葉テストを経て選定された4大茶葉をもとに、乳製品や植物性原料との組み合わせを実験的に追求しています。製品名は「茶葉+0~6の数字」という組み合わせで設定されており、「0(さっぱりとしたかき氷)」「1(純茶)」から「6(乳糖不耐症の人に対応)」と、数字で商品の濃度を表しています。こうした茶葉をベースに味を模索する「実験」のような商品設定も、「TEA LAB」の特徴の一つです。
同社は、2023年12月に米ブロードウェイ1号店を開設して以降、米国では20店舗以上を展開しています。また、2月15日には、大阪・道頓堀に日本1号店をオープン。現在「HEYTEA」はシンガポール、イギリス、カナダ、オーストラリア、マレーシア、アメリカ、韓国、日本など、世界中に80店舗以上を展開。
今後は新たなLAB店を通じて「お茶カルチャーにおける若年層への浸透とグローバル化」を推進。同社が年度初めに掲げた「ユーザーとブランドへの回帰」という差別化戦略が、こうした新たな店舗形態の展開によって実現されます。今後の同社のお茶を軸にしたさらなるイノベーションに、引き続き注目が高まります。