Pinduoduo Group(拼多多グループ) 「Temu(テームー)」が絶好調 再びアリババグループに勝利
2024年5月下旬、中国ITプラットフォーム各社が順次に2024年第一四半期の業績を発表。格安越境ECモール「Temu(テームー)」と中国国内事業が絶好調のPinduoduo(拼多多、PDD)グループの売上昨対は130%増、売上高は868億人民元(約1兆8,000億円)にまで拡大しました。同社の財務報告発表後、PDDグループの株価は大幅に伸び、160ドルに迫る局面もありました。5月26日時点では株価157ドル付近で推移しており、時価総額は約1.5兆人民元(約32兆円)に上っています。
アメリカのビッグゲームで放映された「Temu」のCM動画(YouTube公式アカウントより)
対して、中国EC最大手のアリババグループの売上昨対は6.6%と微増。同社売上高は2,219億人民元(約4兆8,000億円)と、主力事業のEコマース、AI、クラウドサービスなどの頭打ち状態が目立っています。グループ全体の売上はPDDグループの倍以上あるものの、時価総額は約31兆円と、PDDグループの先導をまたもや許す結果となりました。
2013年~2023年の10年間のアリババグループの売上・株価の相関推移(NYSE)
棒グラフ(オレンジ):売上、折れ線(青):株価(FinChatより参照)
苦戦する中国大手IT企業の株価推移。
2020~2024 黒:テンセント、青:京東集団、赤:アリババグループ(参照:Bloomberg)
近年中国では、アリババグループだけでなく、マクロ経済環境の悪化が起因し、いまだ、「WeChat(ウィーチャット)」の運営元のテンセントグループや「JD.COM」の運営元の京東(ジンドン)グループも低迷しています。パンデミック以前の株価水準まで回復するにはしばらく時間がかかりそうです。
参照:
https://pandaily.com/pinduoduos-market-value-surpasses-alibaba-again-chairman-chen-lei-welcomes-healthy-competition-from-rivals/
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-14/SDH1K5T1UM0W00
中国雑貨大手・名創優品(MINISO)は増収増益、売上過去最高更新 海外出店数2,400超
ニューヨーク タイムズスクエアにある「名創優品(MINISO)」グローバルフラッグシップストア
2024年5月14日、中国の大手雑貨チェーンの名創優品(MINISO、メイソウ)が2024年第一四半期の決算を発表。売上は昨対26%増の37億2,000万人民元(約820億円)となり、過去最高を記録しました。うち海外売上高が52.6%増の12億2,200万人民元(約270億円)と好調で、売上全体の32.8%を占めたといいます。
「名創優品(MINISO)」フラッグシップストアのグランドオープンの店内のようす(プレスリリースより)
2024年3月31日時点で、国内外の店舗数の合計は6,630店舗にまで拡大、うち海外では2,400以上の出店を実現しています。2023年12月時点では米国で100店舗目を達成。同社が2023年5月19日に米・ニューヨークのタイムズスクエア1階にオープンした、世界最大規模のグローバル旗艦店は、1周年を迎えました。店内にはサンリオなどのライセンス商品、化粧品、食品、電化製品など2,500種類以上の商品が揃い、連日買い物客で賑わっています。
参照:
https://www.prnewswire.com/news-releases/miniso-celebrated-the-grand-opening-of-its-global-flagship-store-at-times-square-new-york-301831831.html