「SHEIN（シーイン）」の強敵現る？！インド発次世代ファストファッション「NEWME（ニューミー）」が急成長

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「SHEIN（シーイン）」の強敵現る？！インド発次世代ファストファッション「NEWME（ニューミー）」が急成長　

2024.08.02

ケルビン・アウ｜AILメディアパートナー

AIL編集部により一部編集

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　近年のファストファッションEC市場において、中国発ファストファッションECの「SHEIN（シーイン）」がグローバル市場を席捲していることは記憶に新しいですが、新興国インドで新たな動きがうかがえます。

　インドにおけるハイテク産業の中心地であるバンガロールを拠点とし、近年、インドと東南アジアのZ世代を中心に支持を集めているのが、「NEWME（ニューミー）」というファストファッションブランドです。

　「NEWME」は、2022年にShivam Tripathi（シヴァム・トリパティ）氏、Sumit Jasoria（スミット・ジャソリア）氏、Vinod Naik（ヴィノド・ナイク）氏の3名により共同設立されて以後、2024年7月時点での売上は9倍にまで急成長。「SHEIN」と同様のビジネスモデルを組み、特にZ世代を中心にブランド店舗、専用アプリ、ウェブストアを展開しています。設立から約18ヶ月で、アプリのダウンロード数は200万ダウンロードを突破し、インドで最も成長している新興企業として注目されています。

　「NEWME」の成長の背景には、インド国内で中国製アプリをブロックする大規模な動きの一環として、2021年に「SHEIN」アプリのダウンロードが禁止されたことも起因しています。「NEWME」はその翌年に設立されています。

「NEWME」のウェブストア（「NEWME」公式ウェブストアより）

　同社は、2024年1月にプレ資金調達を行い540万ドル（約8億円）、さらに7月にシリーズAラウンドにて1,800万ドル（約27億円）の調達に成功。

　2023年時点でインド国内に初の実店舗を出店し、現在はバンガロール、ムンバイ、チャンディーガル、ハイデラバード、インドール、デーラー・ドゥーンの6都市に店舗を展開しています。そして今後は、新たな調達資金を活用して1年～1年半の間に、20の主要都市にさらに40～50店舗を追加出店する予定です。また、サプライチェーンの増強にも資金を充てる計画です。

「NEWME」の店舗の様子。

現在は、バンガロール、ムンバイ、チャンディーガル、ハイデラバード、インドール、デーラー・ドゥーンの6都市に店舗を展開している

（店舗公式Instagram@newme.storesより）

　「NEWME」の商品ラインアップの特徴としては、メインカテゴリーとしてドレスが注力されています。トップス、ボトムス、デニム、Tシャツ、ランジェリー、ジャンプスーツなどの他のカテゴリーに加え、特に、ドレスにはマキシドレス、ミニドレス、ボディコンドレスなどの詳細カテゴリーが設けられています。また「Co ords（コーディネート）」といったセットアップ商品カテゴリーがあり、インドや東南アジア特有のニーズや人気がうかがえます。

　また商品の平均価格は1,000円前後とかなりリーズナブル。マキシドレスが809~1,699ルピー（約1,400~3,000円）、トップスが389~1,449ルピー（約700~2,700円）、デニムが1,309ルピー（約2,300円）、セットアップが1,899ルピー（約3,400円）など、手の届きやすい価格に設定されています。また初回購入時は20％オフといったクーポン配布も行っています。

「NEWME」のカテゴリーでは特にドレスがメインカテゴリーとして展開されている（「NEWME」公式ウェブストアより）

　飽和するファストファッション市場において、投資家を惹きつけ、資金調達を行い、事業を成功させ生き残ることは決して容易ではありません。しかし、Z世代やその下のアルファ世代（0歳~13歳あたり）の人口は、2025年に世界人口の4分の一を占めるようになると予測されており、その人口分布は中国、インド、インドネシアの三国に集中するといわれています。そのような背景からも、ファストファッション激戦区において、今後「NEWME」が「SHEIN」の対抗馬となるような新鋭ブランドへと成長する可能性は大いにあるでしょう。引き続き、「NEWME」のブランド展開に注目していきたいと思います。

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