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“会話から買う” 新・購買体験 Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)がキュレーション機能を導入

Microsoft(マイクロソフト)は、同社のAIコンパニオン「Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)」に、会話を通じてファッションを発見できるキュレーション機能を統合しました。これは、AIを活用したコマースプラットフォーム「Curated for You(キュレーテッド フォー ユー)」との提携により実現されています。
「Copilot」が実現する“会話型ショッピング”
「Microsoft Copilot」の会話を通じてファッションを発見できるキュレーション機能(PR Newswireより)
この取り組みには、「Rent the Runway(レント ザ ランウェイ)」「Steve Madden(スティーブ マダン)」「Revolve(リボルブ)」「Lulus(ルルズ)」「Tuckernuck(タッカーナック)」といった大手小売業者がすでに参加し、ユーザーの質問文脈に沿って、購入可能な商品キュレーションを提供しています。この機能を通じて、ユーザーがファッションのインスピレーションを受けてまさに購買意欲が高まる瞬間に、AIを活用したテクノロジーで関連商品を提示することを目指しているといいます。
「Microsoft Copilot」では例えば、ユーザーが「What should I wear to a holiday party in NYC?(ニューヨークの週末パーティーに何を着ればいい?)」と自然な会話文で尋ねると、「Rent the Runway」や「Revolve」といったパートナー企業の商品からレコメンドを返答します。単なる検索補助から“AIスタイリスト”へと進化し、まるでスタイリストと会話しているかのように商品発見をサポート。消費者の自然な質問に対して、即座に購入可能なアイテムを提案する“会話型ショッピング”体験を実現しています。
「Curated for You」とMicrosoftによる提携(公式プレスリリースより)
広告ではなく「発見体験」へ
「Curated For You」は、AIとライフスタイルデータを活用して、ユーザーの“文脈”に沿った商品発見を支援するキュレーションプラットフォームです。特徴は、単なるレコメンドではなく、「シーン」「趣味」「トレンド」といったユーザーの興味・関心やムード、ライフスタイルをもとに、ブランドの商品を“ストーリー”として提示する点にあります。
「Curated For You」では、ブランドの商品を
ユーザーのムードやライフスタイルに沿って“ストーリー”提案している
キュレーション機能を支えるのが、AIが生成する「visual stories(ビジュアル ストーリー)」です。従来の検索結果や広告ではなく、文脈やムードに沿った提案を画像・テキストで提示します。これにより、ユーザーに対して「探す」ではなく「出会う」という体験が提供できます。米メディアRetail Dive(リテールダイブ)によると、「Revolve」の最高マーチャンダイジング責任者は「AIによるパーソナルキュレーションが新たな購買導線を生む」と評価しています。
小売業界では、他にも「Ralph Lauren」の「Ask Ralph」機能や、生成AI検索の利用が増加している「Target」など、商品発見のプロセスにAIを組み込む動きが拡大しています。Bloomreachの調査によると、消費者はより速く商品検索をするためにAIを利用している傾向が示され、また、Adobeの調査においても、生成AIの提案による購入が増加していることが確認されており、オンラインショッピングにおけるAIの汎用性や重要性はますます高まっています。