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日本未発売「Ray-Ban Meta(レイバン・メタ)」スマートグラスをニューヨークで使ってみた! 【前編】人気コスメブランド「Glossier(グロシエ)」ポップアップを撮影

RINA Yoshikoshi
NYC在住ブランド、テクノロジー系ライター / コンサルタント
執筆者

 2021年9月9日(米国時間)、Facebook(現Meta、メタ)社は、友人や家族、自分の周囲の世界と常につながりながら、写真・動画撮影や音楽再生、通話といったアクションを全く新しい方法で行なうことができるスマートグラス「Ray-Ban Stories(レイバンストーリーズ)」を発表しました。


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 「Ray-Ban Stories」は、当時Meta社とEssilorLuxottica(エシロールルックスオティカ)とのパートナーシップによって開発され、米国、オーストラリア、カナダ、アイルランド、イタリア、英国の一部の小売店で販売を開始しました。当時のプレス情報によれば、このスマートグラスは、EssilorLuxottica社との複数年にわたるパートナーシップから生まれた、最初の製品だと伝えられています。

 現在このスマートグラスは「Ray-Ban Meta(レイバン・メタ)」とネーミングを変え、人気スタイルの「Wayfarer(ウェイファーラー)」を中心に「Headliner(ヘッドライナー)」「Skyler(スカイラー)」など、多彩なスタイルやフレームカラーを展開しています(日本未発売)。価格帯は299ドル(約45,000円) からと、一般的なサングラスや少し背伸びして購入するような眼鏡フレームの価格と大差ありません。

「Ray-Ban Meta」スマートグラス(公式サイトより)

 

 以前に筆者は、Google(グーグル)社が2014年に発売した「Google Glass(グーグルグラス)」を体験したことがあります。当時、マンハッタンのミートパッキング地区で展開されていた“ベースキャンプ”と呼ばれる試着体験スペースを訪れ、最新のスマートグラスを試着しました。価格は、当時ベーシックなものでも1,500ドル(現在のレートで約22万9,000円)で、Apple(アップル)社の「iPad(アイパッド)よりも高値!」という印象を受けたのを覚えています。

 それから10年が経過。スマートグラスは、見た目も価格も随分とユーザーフレンドリーになりました。「Ray-Ban Meta」のスマートグラスでは、「音声コマンド(AI)」「写真・動画撮影(キャプチャ)」「電話」「ビデオ通話」「音楽・ポッドキャスト再生」「ライブ配信」といったサービスが利用可能。筆者が所有している「Headliner」シリーズは、鼻筋が低めでも安定したかけ心地が得られるフレームが特長です。

 今回筆者は、「Ray-Ban Meta」のスマートグラスを着用し、ニューヨークの迫力が伝わりやすいタイムズスクエアへ行ってみました。コスメチェーンの「SEPHORA(セフォラ)」タイムズスクエア店では、コスメD2Cブランドの「Glossier(グロシエ)」の人気フレグランス「Glossier You(グロシエ・ユー)」から発売されたばかりの新商品「Glossier You Rêve(グロシエ・ユー・リーヴ)」 と「Glossier You Doux(グロシエ・ユー・ドゥー)」の特設プロモーションが実施されています。そこで早速、スマートグラスを使用して写真や動画の試し撮りを行いました。

 「SEPHORA」タイムズスクエア店で実施された
「Glossier You」の新フレグランスのプロモーション(筆者撮影)

 

「Ray-Ban Meta」のカメラ機能で撮影

 

 「SEPHORA」タイムズスクエア店は、入口からエスカレーターで地下に降りると、ビル入口付近にショップスペースがあります。そこでは、「SEPHORA」で取り扱うブランド製品をフューチャーし、度々プロ―モーションが行われています。「Glossier」が誕生した頃、ブランドの象徴としてのイメージは“グロシエピンク“ともいわれる淡いピンクカラーでした。ブランド誕生から10年が経った今は、レッドがブランドカラーとして使用されています。今回の「SEPHORA」でのプロモーションスペースもレッド一色に包まれていました。

 タイムズスクエアは、巨大なビルボードやブロードウェイの劇場、小売店や飲食店がひしめき合う、誰もが知る有名な観光スポットです。今年10月に発売された「Beats x Kim(ビーツ×キム)」コラボレーションによるワイヤレススピーカー「Beats Pill(ビーツ・ピル)」の新色の迫力ある看板が、歩く人々の目を惹きつけていました。この日は雲が少ない秋晴れ。スマートグラスを通して見る景色の写真は、さらに美しく映りました。

「Ray-Ban Meta」のカメラ機能で撮影 ニューヨーク・タイムズスクエア(筆者撮影)

「Ray-Ban Meta」を1か月間使用した感想

 スマートグラスを手にしてから約1ヶ月が経過。フレームが「Ray-Ban」製であることから、外出時に着用していても違和感を覚えることなく着用・利用できる点が、10年前の「Google Glass」とも異なる大きなメリットに感じます。通常の商品のフレームよりもわずかばかり重さがあるということですが、着用していて筆者はその点特に気にはならず、むしろ軽いよりもしっかりと着用している感覚があり、安心できます。

 スマートグラスを使用する際は、スマートフォンと「Meta View(メタビュー)」というアプリを接続する必要があります。多くの機能はWi-Fi接続なしに利用可能なため、使い勝手は悪くありません。音声コマンドについては、何度か試しましたが、思うような回答が得られず。この辺りの機能性はこれからアップデートの余地がある部分だと思います。

 一方で、写真や動画撮影に関しては、複雑な操作もないため、高頻度で利用しています。ニューヨークに限っての話かもしれませんが、街中ではとにかく周囲の音がうるさく、スマートフォンでの撮影時は、シャッター音や動画の開始・停止のアラート音が聞き取りにくいため、撮影できているのか分からないことも多々。そうした問題も、耳元で音が聞こえるスマートグラスでは解決できます。

「Headliner」シリーズ(筆者私物)

 

 また、ケースは充電器の役割を果たしており、ケースに収納するだけで充電ができる点も大きな魅力のひとつです。スマートグラスの機能はすべてフレームに内蔵されているので、レンズについては「Ray-Ban」の店頭で度入りレンズなどへの交換も可能です。今後も改良が続き、進化していくであろうスマートグラス。今回Meta社がパートナーとして「Ray-Ban」を選んだことにより、多くの人が製品に関心を持つきっかけになったのではないかと感じています。

執筆者

  • RINA Yoshikoshi

    NYC在住ブランド、テクノロジー系ライター / コンサルタント

    NYを拠点にブランド、リテール、ウェルネス、D2CのCPGブランドの現地市場を調査。店舗で導入される最新テクノロジーや米国での先進事例なども研究。執筆活動、リソースを元にしたマーケティング&ビジネスコンサルティングやアドバイザリーも行う。
    関心: #テクノロジー #NFT #WEB3  #ウェルネス #未来の街作り