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【独自取材】StockX Tokyo ドロップオフ&ストア、東京・原宿にオープン シニア・ディレクターに東京店舗の魅力を迫る

ケルビン・アウ
AIL編集部 テック、Web3、海外イノベーション情報を中心に取材、執筆
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スニーカーやストリートウェア、ガジェット製品などを中心に売買ができる世界最大のオンラインマーケットプレイス「StockX(ストックX)」が、東京・原宿に常設店舗の「StockX Tokyo ドロップオフ&ストア(ストックX トウキョウ ドロップオフ&ストア)」を、7月16日にオープンしました。ニューヨーク、香港に続き、ドロップオフの機能を持った3か所目の常設店になります。

 今回原宿の店舗に導入されたドロップオフ(Drop-Off)というサービスは、オンラインで取引が成立した商品を、売り手が直接StockX Tokyo ドロップオフ&ストアへ持ち込むことができるというものです。これにより、売り手側は、出品した商品を箱詰めしたり、配送ラベルを印刷したり、StockX認証センターに発送して認証を受けたりする必要がなくなり、よりシンプルな販売体験が可能になります。

 StockX ジャパンのシニア・ディレクターであるDuy Doan(デュイ・ドーン)氏に、今回の日本進出について、また、東京店舗の魅力や今後の展開について詳細を伺いました。

香港に続いて、アジアの東京・原宿を出店場所に選んだ経緯についてお聞かせください。

 StockXは、日本全国にアクティブで情熱にあふれたお客様がいると考えています。そのお客様たちに、より合理的で充実した体験をしていただきたいと思い、対面式のショッピング・サービスを日本で提供したいと考えました。原宿は、数十年前からスニーカーとストリートウェアの文化が深く根ざしていますし、ファッションやアート、テクノロジーの分野で、変化をもたらすことで知られるこの地域のコミュニティーの一員になれることは、私たちにとっても重要なことでした。世界中の人々がインスピレーションを求めて訪れ、カルチャーを前進させていくこの原宿という街で、ビジネスを広げていけることを私たちも楽しみに思っています。

 

 

鑑定サービスなどのデジタルと連携した、日本市場向けの独自サービスがあれば、詳細を教えてください。

 現在、常設のドロップオフは3店舗ありますが、その中でもStockX Tokyo ドロップオフ&ストアは、初めてのショッピング体験を提供しています。店の 1 階には売れ筋商品をディスプレイし、StockX で購入する前に実物の商品を間近に見ることができます。また、今後は、ディスプレイされた商品に加え、店頭で購入可能な商品も順次紹介していく予定になっています。店頭で発売されるコレクションは、現在のカルチャーの中心であるインディペンデントブランドやローカルブランドなどを含め、厳選された商品をセレクトしていく予定です。

 

 

これまでのオンラインマーケットプレイスで蓄積されたデータやノウハウを、日本事業向けの店舗体験や運営にどのように活かすのでしょうか?

 私たちは、お客様からのダイレクトなフィードバックに基づいて、ドロップオフが売り手に価値あるものになるよう努めています。実際、StockX では、ドロップオフをオープンした市場で、売り手の活動が活発になっています。これまで、ニューヨークと香港に常設のドロップオフがあり、ロンドンには長期間のポップアップのドロップオフがありましたが、2022 年 7 月現在までに、常設およびポップアップのすべてのドロップオフで、100 万件を超える取引を促進してきました。

 販売プロセスを簡易化した結果、より多くの地域限定商品の供給を促進することができるようになりました。例えば、私たちのプラットフォームはグローバルな性質を持っているため、ある市場(例えば日本)での供給が、世界の他の市場の需要を満たすことができます。ポケモンカード、特に「Pokémon VMAX Climax」では、実際にこのようなことが起きています。日本語版の「Pokémon VMAX Climax」の販売シェア No.1 が日本であり、それを求めている米国やオーストラリアの StockX のお客様からも好評をいただいています。 東京でのドロップオフ&ストアはまだ始まったばかりですが、すでに今までの取引データを使い店頭に展示する商品やブランドを決めています。

 

 

日本市場におけるマーケティング戦略について教えてください。

 StockX は、グローバル企業だからこそお客様に特別な利益を提供することができます。買い手は(時にはそのブランドや製品が居住地域で入手できない場合でも)世界中の製品にアクセスできますし、売り手は世界中の買い手を相手にすることができるため、グローバルな取引が促進されます。例えば、日本で余っている商品や東京限定でしか発売されない商品を、現地の売り手が出品することにより、世界の他の地域の買い手の需要を満たすことができます。

 このように、StockX はグローバルに展開していますが、ローカライゼーションに投資し、お客様がいるその場所で対応することも非常に重要だと認識しています。これが先に述べた、いままであったドロップオフを拡張し、東京で対面式のショッピング体験を始めるという戦略的決断をした理由です。また、現地でのマーケティング戦略を地域に合わせて調整し、ローカライズされたエディトリアルやソーシャルコンテンツでの戦略を優先させたのもこのためです。

最後に今後の展望についてお聞かせください。

 私たちはすでに、日本における次の大きな投資として、東京を拠点とする初の鑑定所の立ち上げ準備を進めています。東京の鑑定所は、今年の夏後半にオープンする予定で、StockX にとっては世界で 12 番目の鑑定所となる予定です。

 


公式サイト:https://stockx.com/ja-jp

執筆者

  • ケルビン・アウ

    AIL編集部

    AIL編集員 テック、Web3、海外イノベーション情報を中心に取材、執筆。
    AILではコンテンツ制作を中心に活動。米国、中国などを中心に、海外のD2C、マーケティング、DX情報を発信。直近ではWeb3関連情報の発信、取材に注力。特にDID、SBT、Solana、Ceramic Networkに注目。AILのコミュニティでは、Cyberpunk Club、NYC・UK Clubのファシリテーターを担当。