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訪問のラストチャンス?! ニューヨーク・ソーホー限定 CHANEL(シャネル)の特別な体験型アトリエ「Atelier Beauté CHANEL(アトリエ・ボーテ・シャネル)」~AIL編集部ニューヨーク視察コラム~
自分自身や大切な人へのプレゼントを選ぶ際、「CHANEL(シャネル)」のフレグランスやビューティー商品を、時間や周りを気にせず好きなだけ試せる特別な空間があるとしたら、一度訪れてみたいと思いませんか?
「CHANEL」が展開する、“心ゆくまで自由に”フレグランスやコスメアイテムを体験できる店舗「Atelier Beauté CHANEL(アトリエ・ボーテ・シャネル)」は、2025年1月18日をもって閉店することが公式アナウンスされ、約5年間の運営に一旦幕を閉じることとなります。
唯一無二のフレグランス&ビューティー体験型アトリエである「Atelier Beauté CHANEL」への“訪問ラストチャンス”ということで、アパレルウェブ・イノベーション・ラボ編集部がニューヨークで訪れた際のストア体験の様子をレポートします。
「DO IT YOURSELF」がコンセプト
「Atelier Beauté CHANEL」の外観 120.5 Wooster St.(編集部撮影)
「Atelier Beauté CHANEL」は、「DO IT YOURSELF(ドゥー・イット・ユアセルフ)」をコンセプトに2019年1月にニューヨーク・ソーホーエリアにオープン。建物の1階には通常の「CHANEL」店舗が併設されており、通常店舗のウインドウの端に「Atelier Beauté CHANEL」専用のエントランスがあります。来店予約は不要、誰でも利用できます。専用ドアはチャイムを押すとスタッフが応答し開錠され、入店ができます。
ドアを開けると出迎えるシンプルな白い階段から2階へと進むと、一気に「CHANEL」の世界観が広がります。“CREATE YOURSELF(あたらしい自分を創ろう)”というメッセージが添えられたミラーが出迎え、ワクワクと期待を胸に、ピンクで彩られた通路を進んでいざ店内へ。
専用チャイムと荷物ロッカー&手洗いスペースの様子(編集部撮影)
店内に入るとまず、専用ロッカーに手荷物を預け、洗面スペースでの手洗いを促されます。コスメなどの試用前の衛生面への配慮はもちろん、手荷物から解放され、手ぶらの状態で体験できる点が「Atelier Beauté CHANEL」のポイント。準備が完了すると、「ここでは自由に商品を試してくださいね。何か質問やヘルプが必要な時は声をかけて。」と、スタッフからの声がけが。一般的に、一対一での丁寧な接客をイメージするラグジュアリーブランドの店頭で、こうした“見守り”を前提としたカジュアルな接客スタイルには、新鮮味を感じました。“来店したから何かを買わなきゃ”といったプレッシャーは一切不要です。
店内ではフレグランスやコスメの他、ボディクリームやスキンケアアイテムなど、「CHANEL」が展開する一通りのビューティー商品を自由に試すことができます。
インパクト大! 目移りしてしまうカラー展開 リップバー
店内の様子(画像左)とリップバー体験で貰ったサンプルの様子(画像中央&右)
店舗の目玉の一つである、店内奥に設置されたリップバー。“BEAUTY BEGINS THE MOMENT YOU DECIDE TO BE YOURSELF.(美しさは自分らしくあると決めた瞬間に始まる)”という壁に掲げられたネオンのメッセージが印象的です。リップバーには専門スタッフが常駐し、「試したい」と伝えると、好みのカラーや質感に応じてサンプルを手渡してくれます。気に入れば購入もできますし、サンプルが欲しいと伝えればカラー番号が記載されたコンパクトなケースを受け取ることができます。100~150 ものカラーサンプルが並ぶリップバーを眺めてお気に入りをチョイスできる体験を含めて、自身への“プチギフト”にも最適。お試しした上での購入は気持ちも上がるのでオススメです。
調香師が導いてくれる自分だけの香り 贅沢なパーソナルフレグランス体験(要予約・有料)
「Fragrance Discovery」ルームの様子(編集部撮影)
さらに同店舗では、「Fragrance Discovery(フレグランス・ディスカバリー)」という、調香師とともに自身に合うフレグランスを見つけることができる体験が用意されています(要予約・有料)。公式サイトより事前予約が必要で、利用料金は45分間で95ドル(約15,000円)。
AILニューヨーク視察研修では、特別に同スペースでのフレグランスルームを視察・体験させてもらいました。重厚な扉の奥にはカウンターとフレグランスボトルが並ぶ壁一面が広がり、まるで高級ラウンジのような空間で、専属の調香師とマンツーマンのパーソナル体験を楽しむことができます。
カウンターには、「CHANEL」が展開するシグネチャーのフレグランスが花型にあしらわれた専用スティックに入って並び、「AROMATIC(芳香のしっかりした)」「WOODY(ウッディな)」「LIGHT FLORAL(ほのかにフローラルな)」など、香調(香りの種類・系統)によって番号分けされています。
早速、“マイフレグランス”を探し当てていきます。体験ではまず、ポピュラーなフレグランススティックを調香師から受け取って香りを確かめます。その香りを基準に、「もっとフローラルが良い?それともフレッシュが好み?」と調香師との対話を通じていくつかの香りを順に試し、自身の好みのフレグランスを見つけていきます。そうして最も好みのフレグランスに辿り着くと、フレグランスボトルの大きさを選んで購入することができます。購入した商品は、店内で決済後、エントランス近くの受取カウンターで受け取ります。
フレグランス体験の様子(編集部撮影)
次なるストアエクスペリエンスに期待
2019年にオープンしてから丸約5年、「Atelier Beauté CHANEL」は、ストア体験やブランドのローカルコミュニティ形成における「CHANEL」の唯一無二のマーケティング店舗として機能していました。店舗では、個人の体験やショッピング利用に限らず、使用済容器のリサイクル、ワークショップや貸し切りイベントなど、幅広い取り組みに対応していたようです。残念ながら「Atelier Beauté CHANEL」はクローズとはなりますが、次なるストア体験のアップデートに期待したいと思います。
<店舗情報>
Atelier Beauté CHANEL
120.5 Wooster St, New York, NY 10012
営業時間
水曜-土曜 12-7PM
日曜―火曜 12-6PM
※体験予約は2025年1月10日まで・店舗は2025年1月18日まで
https://atelierbeaute.chanel.com/
執筆者
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小川 祐佳|Yuka Ogawa
APPARELWEB INNOVATION LAB. コンテンツディレクター
おがわゆか●1990年、北海道帯広市出身。横浜市立大学国際総合科学部卒。繊維専門商社、PR・広告企業での法人営業職を経て2020年アパレルウェブ入社。現在は、企業経営層に向けビジネスヒントを発信する会員制サービス「アパレルウェブ・イノベーション・ラボ(AIL)」にて、セミナー・イベント企画、オウンドメディア編集、企業取材などのコンテンツ運営業務全般を担う。趣味は旅行・辛いもの。
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