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2024年初夏6月 コンフォート&タイト、ワークコアなボトムスが上昇【スタイルクリップ|フラッシュレポート】

山中 健|Takeru Yamanaka
株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長
執筆者
 

 

 株式会社アパレルウェブが月別にEC売れ筋情報をお届けする「スタイルクリップ」フラッシュレポート。2024年7月のレポートでは、6月3日〜6月30日のEC売上データから、どのようなアイテムが売れ筋となったのかをレポートします。

 

2024年6月 売れ筋アイテム
左から、ティアードマキシスカート、スウェットマキシスカート、デニムオーバーオール

Tシャツがシェアアップ 機能系アイテムが上昇

 対象ブランド(駅ビル&SCグレード、カジュアル&コンテンポラリーブランド)のアイテムキーワードのランキングを見てみましょう。「Tシャツ」の構成比がより高くなっています。これは、暑さやカジュアル志向などのファッショントレンドの影響もありますが、ECにおけるMD(マーチャンダイザ―)精度を上げる中で、買い上げ率の高い「Tシャツ」の品揃えを強化した結果とも言えそうです。その結果、他のアイテムは前年割れとなり、「Tシャツ」への依存度が高い結果となりました。

■アイテムキーワード出現率ベスト10

※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数

 

 また、機能別キーワードでは「パッカブル」「速乾」が大きく伸びて上位にランクイン。暑さ対策に関連したキーワードの「冷感」「接触冷感」も伸びました。これらのキーワードは、トップスに多く出現しましたが、「ワンピース」や「スラックス」などにも広がりを見せています。夏本番となる7月と8月で、どこまで伸びるのか、注視していきたいと思います。

■機能別キーワード出現率ベスト5

※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数

ボトムス人気は緩めからタイトな方向にシフト

 全体として不調傾向が続くボトムスですが、その中でどのようなアイテムが伸びているのでしょうか。

 パンツではワークの定番モデル、スカートでは街着にも普段使いにも使用できる汎用性の高いアイテムが人気のようです。パンツのシルエットは、緩めのものに勢いがありますが、スカートに関してはロング&リーンシルエットのキーとなるような、タイトなものに人気が移行しているようです。ただ、素材はリブやスウェットなど、カジュアル素材を使用したものが支持されており、コンフォートでもルーズすぎない着映えを求めることがうかがえます。

 そしてデニムはパンツ、スカートともに好調。モードやビンテージなルックだけでなく、ワークルックのキーアイテムとして人気となっています。

ボトムス伸び率ランキング

※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数
※出現率0.09以上、2023年比100%以上のアイテムを2023年比で高いものからランキング

タイトなリブマキシでトレンドとコンフォートを楽しむ

リブマキシスカート
 

 タイトな「リブマキシスカート」は、部屋着としても重宝するロングセラーアイテムですが、トップスを遊ぶことで街着としても活躍します。フラットなバレエシューズやサンダルとも相性が良く、コンフォートな着心地でありながら、トレンドのロング&リーンシルエットを描き、スタイルアップ効果を生むことも人気の理由となっています。

ナチュラルなティアードマキシを落ち感でスッキリと

ティアードマキシスカート
 

 ナチュラル系ファッションのロングセラーである「ティアードマキシスカート」。柔らかなインド綿などを使用し、着心地の良さをキープしつつも、落ち感を加えたものが売れ筋です。ボリュームが出過ぎず、スッキリと着こなすのが、今の気分でしょう。

コアなワークアイテムもトレンドに

デニムオーバーオール
 

 モードに着こなせるワークアイテムが人気です。そのコアアイテムともいえる、デニムの「オーバーオール」が存在感を示しています。リジッド(防縮加工を施していない、未洗いの状態)なデニムをきちんと着ることで、正統派ワークな着映えにしたり、ワンウォッシュデニムのストラップを外してカジュアルに着こなしたりと、さまざまなルックのキーアイテムとして着用されており、裏トレンドアイテムといえそうです。

執筆者

  • 山中 健|Takeru Yamanaka

    株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長

    大手百貨店、外資系ブランドメーカー、大手経営コンサルタント会社を経て、コンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、雑貨などのライフスタイル、百貨店、SCなど、幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にapparel-web.com編集長就任。