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2024年盛夏 暑さソリューションがマスト ルックではリゾートや70年代ボヘミアンが主流に【スタイルクリップ|フラッシュレポート】
株式会社アパレルウェブが月別にEC売れ筋情報をお届けする「スタイルクリップ」フラッシュレポート。2024年8月のレポートでは、7月1日〜7月28日のEC売上データから、どのようなアイテムが売れ筋となったのかをレポートします。
2024年7月 売れ筋アイテム
左から、リボンワンピ、スキッパーワンピ、デニムのロングタイトスカート
Tシャツがシェアアップ 機能系アイテムが上昇
対象ブランド(駅ビル&SCグレード、カジュアル&コンテンポラリーブランド)のアイテムキーワードのランキングを見てみましょう。今月も、前月と同様に「Tシャツ」の構成比がより高くなっています。他にも「ラッシュガード」が伸びており、暑さ対策ニーズの高まりを感じさせる結果となりました。また、「パンツ」「ブラウス」も伸びています。「パンツ」では「イージーパンツ」、「ブラウス」では「シアーブラウス」や「シャーリングプラウス」などが牽引しています。
■アイテムキーワード出現率ベスト10
※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数
酷暑を涼やかに過ごせるゆったりワンピが人気
「ワンピース」「スカート」では、かつての主役である「キャミワンピ」「フレアワンピ」などが後退傾向となり、全体としては昨年を下回っています。それらに代わり、「ティアードワンピ」「リボンワンピ」「カシュクール」「シャーリングワンピ」など、さりげなくテクニックを効かせたアイテムが伸びています。リゾートに映えるような、ナチュラル素材やリラックスしたシルエットに、サイドやバックにリボンをあしらったり、インド風のティアードデザインのものが売れ筋となっています。
■ワンピース・スカート出現率ベスト10
※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数
テクニックが効いた大人なリボンワンピース
リボンワンピース
「バレエコア」トレンドからリアルクローズにも浸透している「リボン使い」が人気です。もともと、ロマンチックやエレガンスといったファッションジャンルでは根強い人気がありましたが、モードスタイルにも広がっています。結び目をリボンにしたり、大ぶりなフロントリボンをあしらったものなどが売れ筋となっています。
70年代ボヘミアン調スキッパーワンピ
フロント開きディテールを施した、ボヘミアン調スキッパーワンピ
1970年代のボヘミアン調は、夏のムードとも相性がよく、インド綿や刺繍もののワンピースといった売れ筋アイテムを生んでいます。特に、人気のフロント開きディテールを施したスキッパータイプやリボン付きタイプなどの出現率が高くなっています。
程よいタイトさがトレンドのデニムロングスカート
スリットを施したデニムロングスカート
程よいタイトなシルエットも引き続き人気です。トレンド素材のデニムを使用し、「はぎ」などのボヘミアンなディテールのあるものが、高感度層に支持されています。カジュアルになりすぎないようスリットを施したり、重くならないよう柔らかな生地を使用するといった工夫が、デザインを進化させています。
執筆者
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山中 健|Takeru Yamanaka
株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長
大手百貨店、外資系ブランドメーカー、大手経営コンサルタント会社を経て、コンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、雑貨などのライフスタイル、百貨店、SCなど、幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にapparel-web.com編集長就任。