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2025年冬春 ECでは軽快なアウターが売れ筋に【スタイルクリップ|フラッシュレポート】

株式会社アパレルウェブが月別にEC売れ筋情報をお届けする「スタイルクリップ」フラッシュレポート。2025年2月のレポートでは、12月30日~2月2日のEC売上データから、カジュアル&コンテンポラリーブランドでどのようなアウターが売れ筋となったのかをレポートします。
2025年1月売れ筋アイテム
ツイーディーなニットジャケット、ボアジャケット、ジャケットコート
アイテムキーワード出現率では、先月と同様に「スウェット」がトップで、「ニット」「パンツ」「ジャケット」「カーディガン」と続きます。出現率が上位のアイテムが軒並み昨年を上回り、全体を牽引。また、長らく勢いのなかった「ワンピース」「スカート」なども伸びています。ポストコロナによる店頭へのシフトにより、試着を望むアイテムのEC売上ダウンの底打ちとなったのか、今後も注視が必要といえるでしょう。
また、1年で最も寒い時期ですが「サングラス」が伸びています。ファッションアイテムとして通期で着用するケースが増えていることや、冬でも紫外線対策に関心のある消費者が増えていることが要因といえそうです。
■アイテムキーワード出現率ベスト20
※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数
防寒よりも軽アウターが人気
今年の1月の気温は、北日本や東日本では平年より高く、西日本は平年並みで推移しました。昨年は暖冬の揺り返しで1月や2月に防寒アウターが売れましたが、今年は「コート」よりも「ジャケット」や「ブルゾン」など「軽アウター」の売上の伸びが目立ちます。特に「ジャケット」に大きな伸びが見られ、「ニットジャケット」「テーラードジャケット」「ボアジャケット」「デニムジャケット」が好調です。
■アウター出現率ランキング
※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数
ツイーディーなニットジャケット
デニムと合わせてBCBG風に着こなす
“ツイードに見えて実はニット”というタイプの「ジャケット」が人気です。カントリータッチのものから、装飾性の高いタイプに売れ筋が移行。普遍アイテムを品良く着こなすハイカジュアルがトレンドとなる中、これらのアイテムをデニムなどと合わせて「BCBG風(フランスの上流階級のようなファッション)」に着こなすのが今のムードといえそうです。
ボアジャケット
“よそ行き感”のあるタイプが人気のボアジャケット
アウトドアやデイリーウェアで人気の「ボアジャケット」。今シーズンは英国調の柄をあしらったものや、ファーやムートンのように見える、“よそ行き感”のあるものが人気に。柄と無地がリバーシブルの2WAYタイプも売れ筋となっています。
ジャケットコート
エレガンスの要素を残したジャケットコート
キャリア層をターゲットにしたブランドでは、「ジャケット」をビッグにした「ジャケットコート」が売れ筋となっています。トレンドがカジュアルにシフトする中、エレガンスのムードを残しながらも、軽快さを楽しめるアイテムといえそうです。
執筆者
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山中 健|Takeru Yamanaka
株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長
大手百貨店、外資系ブランドメーカー、大手経営コンサルタント会社を経て、コンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、雑貨などのライフスタイル、百貨店、SCなど、幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にapparel-web.com編集長就任。