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2025年7月盛夏 酷暑でもきちんと感のある襟つきトップスが売れ筋に【スタイルクリップ|フラッシュレポート】

山中 健|Takeru Yamanaka
株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長
執筆者

 株式会社アパレルウェブが月別にEC売れ筋情報をお届けする「スタイルクリップ」フラッシュレポート。2025年8月のレポートでは、2025年6月28日〜7月27日のEC売上データから、どのようなアイテムが売れ筋となったのかをお伝えします。2025年7月は全国的に酷暑となり、最高気温を更新するニュースが次々と報道されました。高気温が続く中でどのようなトップスが売れたのか、動向を読み解きたいと思います。

 

2025年7月の売れ筋アイテム
左からビッグポロ、オープンカラーとショーツのセットアップ、バイカラーポロ

続くTシャツ首位 夏小物も好調

 対象ブランド(駅ビル&SCグレード カジュアル&コンテンポラリーブランド)のアイテムキーワード出現率ランキングを見てみましょう。7月もTシャツが首位となり、出現率は27%を超えました。酷暑やセールプロモーションなどの後押しもあり、上位アイテムのほとんどが伸びています。また、軽装になる夏らしく、「バッグ」「サンダル」「水着」など、ウェア以外へのニーズも高まっています。

■アイテムキーワード出現率ベスト10

※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数

「ポロシャツ」「ニットポロ」が急伸、「クルーネックT」は減少傾向

 トップスでは、常に上位だった「クルーネックT」が大きく減少し、他のTシャツアイテムへニーズが分化したようです。一方、「ポロシャツ」や「ニットポロ」のほか、Vネック風に開いたスキッパー襟付きディテールのトップスは大きく伸びています。こうした背景には、“カジュアルでもトレンドは押さえたい”というニーズ、プレッピーやトラッド回帰、そしてロングトレンド化しているY2Kの影響があるようです。

■トップス出現率ベスト15

※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数

ボトムを選ばず着回せる「ビッグポロ」

モノトーンボーダー×ドロップショルダーの絶妙なバランスがポイント

 

 「オーバーT」の後継アイテム「ビッグポロ」。ゆったりしたシルエットとドロップショルダーが抜け感を演出し、モノトーンのボーダー柄で大人っぽさも兼備。襟付きデザインがカジュアル過ぎず、タウンユースからリゾートまで、シーンを問わず幅広く活躍します。通気性の良い素材で夏も快適に、かつ、ボトムを選ばず着回し力は抜群です。ユニセックスで楽しめ、スタイリング次第では、きれいめにもストリートにも振れるトップスとして人気が急上昇中しています。

オープンカラーシャツとカーゴショーツのセットアップ

ダスティパステルカラーで統一したセットアップで、洗練されたカジュアルを実現

 

 オープンカラーシャツとカーゴショーツのセットアップを、ダスティパステル(くすんだ淡い色)のニュアンスカラーでまとめたルックが人気です。足元はクルーソックスと厚底スニーカーでボリューム感をプラスし、ストリート感とリラックス感が絶妙に融合。軽やかで抜け感のある配色と機能的ディテールは、来シーズンの春夏メンズトレンドの“ソフトユーティリティ”ともシンクロしており、注目です。

上品さと快適さを両立する「バイカラーポロ」

夏のきれいめカジュアルを格上げするキーアイテム「バイカラーポロ」

 

 クラシカルな魅力漂う配色ポロニットは、この夏のきれいめカジュアルのキーアイテムに。コントラストの効いた白襟と袖口が顔まわりを明るく引き立て、コンパクトな丈感が脚長効果を演出します。しなやかなニット素材で快適な着心地ながら、襟付きデザインで品のある印象に。「ワイドパンツ」や「スカート」にも合わせやすく、オンオフ問わず着こなしの幅を広げることができるアイテムです。

執筆者

  • 山中 健|Takeru Yamanaka

    株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長

    大手百貨店、外資系ブランドメーカー、大手経営コンサルタント会社を経て、コンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、雑貨などのライフスタイル、百貨店、SCなど、幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にapparel-web.com編集長就任。