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【スタイルクリップ|フラッシュレポート】<2023年夏レビュー>レジャー需要が追い風に 水着や夏小物が急伸

山中 健|Takeru Yamanaka
株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長
執筆者

 株式会社アパレルウェブが月別にEC売れ筋情報をお届けする「スタイルクリップ」フラッシュレポート。2023年8月のレポートでは、夏シーズン(6月5日〜8月20日)のEC売上データから、どのようなカテゴリーが売れ筋となったのかをレポートします。

 対象ブランド(駅ビル&SCグレード カジュアル&コンテンポラリーブランド)のアイテムキーワードのランキングを見てみましょう。春シーズンは初夏のような気温の日が多かったのですが、夏シーズンは酷暑となり、Tシャツやショーツの存在感が増しました。また外出機会の増加からワンピース、スカート、ブラウスなども好調で、冷房対策のカーディガンも堅調でした。

2023年夏の売れ筋アイテム。左から、キャップとサングラス、タイトショートパンツ、オフショルビキニ

 

■アイテムキーワード出現率ベスト10

出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数

レジャーアイテム、小物が急伸

 カテゴリー伸び率のトップは水着となりました。ファッションブランドのECでは2020年以降取り扱いがないケースが多かったため、前年比が異常値となってはいますが、出現率は全体で見ても13位となっています。水着のような夏ならではオケージョンアイテムが多くランキングしています。サングラス、キャップ、ハットなどの日差し対策アイテム、ショートパンツなどの暑さ対策アイテム、ピアスやイヤリングなど肌見せに映えるアクセサリーなどが並びます。

 また、実需対応だけでは単価ダウンを招くことから、秋冬アイテムの予約を開始しているブランドもあり、ブルゾンが高い伸び率を示しています。

ベスト11位以下の伸び率ランキング

出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数

 

ここから、2023年夏の売れ筋アイテムを見ていきましょう。

サングラスはマストハブに。キャミワンピ&シアーシャツも人気

 気温の高さに伴う紫外線の強さから眼の保護が謳われ「サングラス」はマストハブとなりました。サングラスが浮かないモノトーンコーデも人気です。今シーズンのロングセラーアイテムのキャミワンピのような肌見せアイテムにシアーシャツをオンしたり、タスキ掛けするといった冷房・暑さ対策が取り入れられています。

来季のトレンドアイテム。タイトなショートパンツもビッグTと合わせてこなれた感じに

 2024年春夏のトレンドアイテムとされるタイトなショートパンツ。早くもスナップなどに現れ始めています。ビッグなTシャツと合わせることで腰回りもすっきり見せることができ、やりすぎ感なくこなれた感じに仕上がります。

街着要素を入れた水着が人気

 ファッションサイトでも売れた水着。その中でも人気は街着の要素を取り入れたものです。ふんわりと胸まわりや腰まわりを包むものや、袖付きビキニ、ワンピ見えビキニなどが人気でした。

執筆者

  • 山中 健|Takeru Yamanaka

    山中コンサルティングオフィス(YCO/Yamanaka Consulting Office)、 株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長

    大手百貨店、外資系ブランドメーカー、大手経営コンサルタント会社を経て、コンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、雑貨などのライフスタイル、百貨店、SCなど、幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。
    2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にapparel-web.com編集長就任。