世界最大のマーケットプレイスであるAmazon(アマゾン)は、英国北東部に位置するダーリントンにおいて、ドローン配送の認可を申請しました。現在、ドローン配送の実現に向け、同社は英国民間航空局(UK Civil Aviation Authority、CAA)と連携しながら、規制の枠組みづくりを進めています。
ドローン配送が認可された場合、英国北東部のダーリントンにあるフルフィルメントセンターから
飛行を予定している(Amazon公式サイトより)
試験運用では、ダーリントンの倉庫に設けられたドローン専用エリアから4機が稼働し、高度55〜85メートルで飛行します。配送時は庭先4メートル上空から荷物を投下する方式を採用。稼働時間は平日9時から17時までとされ、最大で1時間に21便の運航が可能とされています。
英Amazonによると、ドローンは従来のトラック配送と比べ、騒音が少ないと主張。さらに、ドローン配送の許可申請の際に提出された資料によると、ドローンの騒音レベルは最大72デシベルで、これは洗濯機やシャワーに相当する程度とされています。また、ドローン配送に要する時間は約30秒と短く、トラック配送時に発生するドアの開閉音や停車音の方が、大きな騒音になる可能性があると説明しています。
しかし一部の住民からは、「高音で断続的な音が生活環境を大きく変え、従来の交通音より不快に感じる」と、懸念の声も寄せられています。英Amazonは、試験運用のデータや騒音に関する資料を提出すると同時に、地域住民との対話も重視し、実用化に向けて調整を進めています。
英国ペット用品小売大手Jollyes(ジョリーズ) Uber Eatsと提携し、即時配送サービスを開始
英国で100店舗以上を展開するペット用品小売大手Jollyes(ジョリーズ)は、米国発のフードデデリバリーサービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」と提携を発表。ペットフードやアクセサリー、ペット用玩具を最短30分で届ける即時配送サービス 「Zoomies(ズーミーズ)」 を開始しています。
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新サービス「Zoomies(ズーミーズ)」のローンチを伝えるInstagram
「Uber Eats」のアプリから簡単に注文ができることをアピールしている(Jollyes公式Instagramより)
現在、同サービスは英国内の13店舗で試験導入されており、今後は全国展開を予定しています。対象店舗の半径5マイル圏内に住む顧客は、「Uber Eats」のアプリから2,000点以上の商品を注文が可能。冷凍ペットフードも取り扱いの対象となっています。
Jollyesの最高経営責任者Joe Wykes(ジョー・ウェイク)氏は、「今回の提携によって、Uber Eatsでは初めてとなるペット用品を扱うパートナーとなれることを嬉しく思う。これまで以上に多くの顧客に迅速にリーチが可能となった」とコメント。Uber Eats UKの食品・新規事業担当責任者のKatie Hunter(ケイティ・ハンター)氏は、「テイクアウトだけでなく、日用品を求めるユーザーが増えている。今回の提携で、ペットフードからペット用おもちゃまで、ワンタップで簡単に入手することが可能となった」とアピールしています。
英Amazonによるドローン配送や、Jollyesと「Uber Eats」の提携は、物流が顧客体験を左右する大きな要素となりつつあることを示しています。食品や日用品に限らず、ペット用品まで広がる即時性のニーズは、今後さらに多様化すると思われます。規制や社会受容性を乗り越えた企業が、新たな市場機会を掴むでしょう。
参照:
https://www.retailgazette.co.uk/blog/2025/08/amazon-drone/
https://www.retailgazette.co.uk/blog/2025/08/jollyes-uber-eats/