
英国のコンサルティング企業RSM UK(アールエスエムUK)と、小売・消費者動向に特化した調査機関Retail Economics(リテール・エコノミクス)が英国内で実施した最新調査によると、環境や社会に配慮した持続可能な消費行動、いわゆる“サステナブル消費”において、Z世代では、「意識」と「行動」の間に大きなギャップがあることが明らかとなっています。調査では回答者のうち約6割(59%)が、「サステナビリティを意識する一方で、行動が伴っていない」と回答。さらに、1,500人のZ世代を対象とした調査では、以下の回答結果となりました。
- ・サステナブルな消費行動を実践していると回答したのは29%
- ・サステナビリティの価値を理解しているが、価格や利便性を理由に妥協していると回答したのは43%
- ・商品の購入時にサステナビリティを重視していないと回答したのは28%
サステナビリティを行動に移している割合を年齢別に分析すると、24~28歳では39%である一方、18〜21歳では20%にとどまっていることから、年齢層が高くなるほどサステナブルへの意識が高いことが明らかとなっています。調査では、Z世代の40%が「一度しか使わない商品を購入したことがある」と回答しており、トレンド消費による影響の大きさもうかがえます。背景には、「SHEIN(シーイン)」や「Temu(テームー)」に代表される中国発のファストファッション環境で育った世代特性があり、限られた予算の中で「価値」「価格」「即時性」のバランスに悩みながら意思決定している実態があると分析されています。

年齢別の調査では、ライフステージや経済的自立度の違いが影響しているとされている
(RSM UKによる調査レポ―ト『Shades of Z』より)
一方、この調査の結果は小売業にとってのチャンスも示しています。経済的に余裕のあるZ世代では、天然素材やリサイクル素材のほか、人権や労働環境に配慮した倫理的調達、サプライチェーンの透明性への関心が高いことが明らかとなっています。さらにヘルス&ビューティー分野では、サステナビリティの重要度が特に高いことから、安全性や自己ケアと結びつきやすく、価格が高くてもZ世代から評価されやすいことが指摘されています。
関連記事:Temu(テームー)とSHEIN(シーイン)が英Apple Storeでダウンロード数トップに 英国拠点の増強やIPOなど最新アップデートを紹介
参照:
https://www.retailgazette.co.uk/blog/2025/12/data-gen-zs-sustainability-intention-gap-widens-due-to-ultra-fast-fashion-purchases/
https://www.rsmuk.com/insights/retail-economics-shades-of-z#tabs–9–Gen%20Z%20spending%20habits
執筆者
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高嶋 一行|KAZUYUKI TAKASHIMA
Showcase Tokyo 代表・在英ライター|AILメディアパートナー
ファッション専門学校卒業後、渡英。「ELEY KISHIMOTO(イーリー キシモト)」にてデザインアシストを経験。現在は英国を拠点に日本ブランドの海外セールスを行うエージェント「ShowcaseTokyo」を運営。東京ファッションウィーク参加ブランドなど、日本のデザイナーズブランドの海外進出や新規取引先開拓の支援を行っている。 パリファッションウィーク期間では年4回それぞれのシーズンに営業担当する日本ブランドと共に参加。バイヤー向けの展示会を開き、ヨーロッパを中心に海外のお店やバイヤーとの取引を進める。



