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スペイン発スタートアップがファッション生産特化型AIを開発 サプライチェーン一元化により大幅な効率改善へ

高嶋 一行|AILメディアパートナー
AIL編集部により一部編集
執筆者

 ファッション業界におけるAIの活用は、ここ数年で急速に広がりを見せています。スペイン・バルセロナ発のスタートアップ企業Artiso(アルティソ)は、ファッションの生産工程をAIで効率化するSaaSプラットフォームをローンチしました。

 

Artisoが提供するAIでは、各工程を一元化し、作業効率を大幅に向上させる
(Artiso公式サイトより)

 

 同社が提供するAIは、コンセプトの立案から販促用キャンペーンの制作までを統合的に管理し、コスト削減や作業フローの効率化を実現しながら、創造性を損なわない点が特徴です。例えば、ムードボード(デザインラフの一種)やスケッチのほか、バーチャルでの試着体験、テックパック(製品を作成するための詳細なガイド)作成といった各工程を一元化。ブランドのスタイルに沿ったデザイン案を自動で生成します。直感的なUIと“エージェンティックAI” により、消費者のニーズを予め予測し、提案型のビジュアル作成が可能だといいます。

 さらに、カラーバリエーションの提示やバーチャルモデルを用いたフィッティングの検証、キャンペーン用ビジュアルの高速出力などにより、従来の作業時間を大幅に削減することが可能に。同社のAIを試験的に導入したファッション企業の事例では、キャンペーンの制作コストが最大で40%削減、さらに、フィードバック期間が短縮されたという報告もあります。

画像左が、同社CEOのSarah Iglesias Hiller(サラ・イグレシアス・ヒラー)氏
(Artiso公式サイトより)

 

 戦略系経営コンサルティングファームのMcKinsey&Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)が発表したレポート「The State of Fashion Technology 2025 report(ファッションテクノロジーの現状 2025)」によると、2025年はファッション企業の約68%がAIへの投資を強化すると予測されており、業界全体におけるAIの活用拡大が見込まれています。ArtisoのCEOであるSarah Iglesias Hiller(サラ・イグレシアス・ヒラー)氏は、同社が提供するAIについて、「創造性を置き換えるのではなく、強化する存在」とコメント。AIの存在は、今後のファッション業界のクリエイティブ工程に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。


参照:
https://fashionunited.uk/news/fashion/a-spanish-startup-launches-ai-tool-to-streamline-fashions-creative-engine/2025070882691