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アメリカ発新鋭コスメブランド「KIKI World」 NFTによるデジタル会員証でユーザー体験を刷新、ほか【編集部厳選:週間ホットトピックス】  

AIL編集部
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小売、EC、マーケティング、テック、Web3カテゴリーを中心に、今週注目を浴びた国内外の最旬情報をまとめてお届けします。

カテゴリー:Web3、コスメ

KIKI Worldの公式サイトより

 

 「KIKI World(キキワールド)」は米国ロサンゼルス発の新鋭コスメブランドです。2023年5月16日に正式にローンチした同ブランドは、Web3テクノロジーを駆使したマーケティング戦略によって顧客体験に革新をもたらし、ファンとのエンゲージメントにおける差別化を図っている新鋭スタートアップとして今注目されています。

 ブランドの特徴は次の2点。

 1点目は、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)を活用したデジタル会員証の発行により革新的な会員管理の仕組みを展開していること。2点目は、ローンチ時にいくつかの主力商品を発表していますが、すべての商品の商品化の過程で、会員による投票結果を取り入れている点です。

 まず1点目、NFTを活用したデジタル会員証と会員管理の仕組みですが、同ブランドの公式サイトでは、電話番号、メールアドレス等を入力して会員登録を完了すると「マイアカウント」というユーザーページが表示されます。ユーザーページに入ると、「KIKI World Pass(キキ ワールド パス)」という、ブランドのメンバーシップ機能が表示されます。初回登録後、「KIKI World Pass(キキ ワールド パス)」の機能より「会員証を発行(Claim)」というボタンをクリックすると、読み込みが開始されブランドのオリジナルNFTが付与されます。これがデジタル会員証の役割を果たします。

 

付与されたNFTによるデジタル会員証「KIKI World Pass」

 

 この「デジタル会員証」を手に入れると、会員の特別な権利として、先行発売商品への一部アクセス、新作商品のデザイン・色に関する投票権、特別なイベントへの招待といった「特典」が手に入ります。

 試しに、「Nail Graffiti Color(ネイルカラー)」のカラー投票をしてみました。まず、この「投票行為」そのものがブランドへの貢献とみなされ、投票後はデジタル会員証を介して「KIKI points」という、いわゆるリワードポイントが還元されます。付与されたポイントはショッピングに使用できます。

 新商品への投票には期間設定があり、フェイスクレンジングやフェイスライナー、ヘアマスクなど複数の新商品が投票前の商品一覧に並んでいます。

 

新発売予定の「Nail Graffiti Color」のカラー投票画面。
好きなカラーを選ぶと「VOTE」ボタンがクリックでき投票が完了する

 

 さらに、同社の製品には「NFCタグ(近距離無線通信)」という電子チップがあらかじめ内蔵されています。ユーザーが購入した商品を使用するたびに、NFCタグが商品の使用頻度を記録し、レポートします。一定回数の使用頻度に到達すると、NFCタグと連携したマイページを介して、同様に「KIKI Points」を還元することで、会員のエンゲージメントを高める仕掛けがしっかりと設定されています。

 

商品に内蔵されているNFCタグ

 

 このように、「KIKI World」ではNFTといった最新のWeb3テクノロジーを導入することで、購買前後を含めたユーザー体験に新たな価値を提供しています。発売前の商品に対してユーザーが好きなカラーやデザインを「投票」できるという体験は、ブランドにとってもカスタマージャーニー分析や商品企画・マーケティングに関する貴重なデータ収集に役立てることができます。まさに、ブランドが顧客とともにブランドを育てていくような、Web3テクノロジーならではの魅力が詰まったリードブランドの取り組みだと言えるでしょう。

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