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広告クリック率が40%向上した例も! Google、Amazonがリリース 生成AI実装の広告クリエイティブツール【編集部厳選:週間ホットトピック】

ケルビン・アウ
AILメディアパートナー
執筆者

小売、EC、マーケティング、テック、Web3カテゴリーを中心に、今週注目を浴びた国内外の最旬情報をお届けします。

カテゴリー:EC、マーケティング、生成系AI、広告

 巨大ITプラットフォームが相次いで独自の生成AIツールをリリースする中、広告配信への生成系AIの応用に注目が集まっています。ECサイトなどで、ユーザーの閲覧履歴から関連広告を配信するレコメンド機能の精度は向上し、普及しつつありますが、最近では広告主の生産性向上に向けて、広告画像や動画の編集を助ける生成AIが実装されたクリエイティブ機能が追加されるなど、実用的なユースケースも登場しています。

 

 
生成AI機能を実装した「Product Studio」の紹介動画 ※該当箇所は3:40~(Google Ads 公式YouTubeアカウントより)

 

 10月末にアルファベット社傘下のGoogle社は、まず米国市場に向け、広告クリエイティブに特化した生成AIツールの実証テストを開始しました。同社の広告サービス群を横断して使える機能で、「Product Studio(プロダクトスタジオ)」というサービス名称です。

 機能について、具体的には、広告主が「Product Studio」を利用して1枚の商品画像をアップロードすると、生成AI機能により商品画像の背景色や色彩が調整され、いくつかのバリエーション画像が新たに生成されます。広告主はこれらの生成画像をGoogle広告配信で利用できるのはもちろん、自社のECサイトの商品詳細ページやSNSアカウントにも転用でき、広告関連だけではなく、画像を使用するクリエイティブ全般の生産性の向上にも繋がるということです。

 

左が生成AI利用前の商品画像、右が生成AI利用後の新たな画像(Amazon公式サイトより)

 

 また、同じタイミングで米Amazonも「Product Studio」と似た新しいサービスをリリースしています。

 現時点では、正式のサービス名は公表されていませんが、 Amazonの広告サービスの管理画面「Amazon Ad Console」内でベータ版のクリエイティブ生成機能が利用可能です。この機能を利用すると、例えば、上記のトースターの画像事例のように、編集後の画像にはリアリティのある日常シーンの背景や小物などの飾りが挿入され商品の見栄えも改善されています。

 Google、Amazonの両社が10月に揃って広告クリエイティブに利用できる生成AIツールをリリースした理由は、クリスマスや年末商戦の広告ニーズに対応するためです。Amazonの公式ブログによると、生成AI機能が編集した商品画像を使った広告のクリック率は通常の広告に比べて40%増加したというデータがあります。そういった意味では、年末商戦の売上促進を目的として、広告効果を最大限に引き出すための生成AIツールの実用化は差別化を図る重要な手段の1つといえるでしょう。

 

参照:
https://support.google.com/merchants/answer/13863814?hl=en#:~:text=Merchant%20Center%20Next%20will%20give,rolling%20out%20for%20new%20users.
https://www.aboutamazon.com/news/innovation-at-amazon/amazon-ads-ai-powered-image-generator