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米Walmartが独自の生成系AI「My Assistant」を従業員向けに開発、生産性や社員満足度向上を目指す【編集部厳選:週間ホットトピック】
小売、EC、マーケティング、テック、Web3カテゴリーを中心に、今週注目を浴びた国内外の最旬情報をお届け。
カテゴリー:小売、EC、テック、AI
米国小売大手の「Walmart(ウォルマート)」は、生産性や効率性の向上を目的として、自社従業員向けに独自で開発した生成系AIプログラム「My Assistant(マイアシスタント)」を提供することを発表しました。
米国「Walmart」店舗(公式サイトより)
「My Assistant」は、全米約5万人の非店舗業務の自社従業員を対象に開発されたアプリで、デスクトップ、またはスマートフォン上で、主にメール、社内資料、会議レポートなどの文章を作成する際に内容の正確性、精度、スピードを改善するために役立ちます。そのほか、新入社員研修など社内教育のリソースとしても活用するといいます。
「My Assistant」イメージ(公式リリースより)
公式リリースによると、「My Assistant」は業務の生産効率を高めるツールとしてだけではなく、社員の福利厚生の一環として、資格の学習といった社員の自己成長を促すために活用する側面もあるとしています。
昨今は「ChatGPT」を筆頭にさまざまな生成系AIツールが登場していますが、大規模なデータ漏れなどセキュリティ面の懸念も謳われています。それらを解消するために、「My Assistant」のような自社内で開発した生成系AIツールのユースケースも増えています。
例えば、小売業界だけではなく、米国の商業施設の不動産開発大手JLLも「JLL GPT」という独自の大規模言語モデルを生かした生成系AIを自社の10万人以上の従業員に対して提供しています。「JLL GPT」は、商業不動産開発に特化した生成系AIとして、不動産開発プロジェクトにおける精度の高いインサイトを導くために開発されたAIツールです。
JLLの「JLL GPT」(公式サイトより)
このように自社活用としての生成系AI開発が進むことで、業務効率化に加え、社員満足度の向上や、さらには他社へのサービス展開といった新しいビジネスに繋がる可能性があるのではないでしょうか。