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カテゴリー:小売、テック
NRF(The National Retail Federation、全米小売業協会)が2023年7月末に「Center for Digital Risk & Innovation(デジタルリスク&イノベーションセンター)」という新しい専門機関の設立を発表しました。
同機関は、サイバーセキュリティ、オンライン詐欺の防止、AI、機械学習といった領域に特化したもので、今後、これらの領域が小売業界に与える影響や知見に関する研究レポートを発表するほか、技術・サービス活用に関する専門家を招いたプロジェクトも発足する予定です。
Center for Digital Risk & Innovation の公式サイトより
Center for Digital Risk & Innovation設立の背景には、昨今AIが凄まじいペースで進化・発展しているものの、米国の小売業界ではAIの活用状況やリテラシーが十分に揃っていないという課題があります。小売業界全体に関する明確なコンプライアンス、ガイドライン、スダンダードが設けられていないのが現状です。
利用が広がると同時にリスクも増える生成系AI ©Emiliano Vittoriosi@Unsplash
また、サイバーセキュリティについては、米国を含めて近年は世界的に、個人ユーザーのクレジットカードなどから個人情報へのリークまたはハッキングといったサイバー攻撃が頻発しており、被害額も年々拡大しています。
ハッキングなどのサイバー犯罪によるグローバル被害額が急速に拡大(statista社参照)
AIなどの発展にともなうサイバーセキュリティは、小売企業にとって運営、存続に関わる非常に重要な領域になってきています。Center for Digital Risk & Innovationが業界の声を拾いながらこれらの領域を改善することは、結果として、企業の業績改善に繋がるだけではなく、エンドユーザーの顧客体験の質の向上にも貢献するということがポイントです。