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【AILイベントレポートVol.08】フェイラージャパンのリブランディング ~成功の秘訣とファンマーケティング~

AIL編集部
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 アパレルウェブ・イノベーション・ラボでは、イノベーターや有識者を招きビジネスインプットや“発見”をお届けする会員向けリアルイベントを定期開催。本企画では、イベントで得られたナレッジや交流会の様子をAIL編集部がレポートしていきます。

 2025年6月イベントテーマは、「フェイラージャパンのリブランディング ~成功の秘訣とファンマーケティング~」です。リブランディングとファンマーケティングの強化。そのすべてが、新たな顧客層の開拓と、今日に至る事業の持続的成長へとつながっています。セミナーでは、フェイラージャパン株式会社 代表取締役社長の八木 直久氏と、出資元である住友商事株式会社 次世代リテイルユニット長の今村 真也氏にご登壇いただきました。セミナーの要点と交流会の様子をレポートでお届けします。


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左から、フェイラージャパン代表取締役社長 八木 直久氏、住友商事株式会社 次世代リテイルユニット長 今村 真也氏
 

■イベント登壇者プロフィール 

(画像左)八木 直久|フェイラージャパン株式会社 代表取締役社長

やぎなおひさ●1992年住友商事に入社後、一貫して国内外で小売事業に従事し、ジュピターショップチャンネルで 執行役員としてマーケティングや営業を統括し、タイ現地法人の社長も歴任。 2022年10月からにフェイラージャパン株式会社代表取締役社長としてリブランディングと市場拡大を推進している。
●「フェイラー」公式サイト

 

(画像右)今村真也|住友商事株式会社 次世代リテイルユニット長

いまむらしんや●海外ブランド事業を手掛けた経験を多く持つ。エディー・バウアーではマーケティング、MDを経験し、リシュモンジャパンとのJV事業(ランセルジャパン)ではCEOも務めた。またシンガポール駐在中は、地域本社における経営企画業務を担った。現在は、既存事業に加えてROBLOXなどのメタバース事業を強化しているところ。

 


「卸売」から「小売」への転換
“顧客層の若返り”がリブランディングの鍵に

 ドイツ生まれのライフスタイルブランド「FEILER(フェイラー)」は、伝統工芸織物のシュニール織を用いた高品質なハンカチやポチ・バッグを中心に展開し、特徴的な華やかなデザインで人気を博しています。1948年にドイツで創業し、日本市場でも高い認知度と根強いファンを獲得してきました。しかし近年、卸売中心の事業展開や、顧客層の高齢化などにより、今後の国内市場における収益力への危機感が生まれていました。こうした状況を打開するため、フェイラージャパンでは従来の卸売モデルから小売モデルへと転換を図る、大規模なリブランディングに着手しました。

長い歴史に裏付けられた、確かな品質が特徴の「FEILER(フェイラー)」(フェイラージャパン提供)

 

 リブランディングを進める際、経営陣を筆頭に社員や株主の全員が、“このままではフェイラーは危ない”という共通の危機感を認識することから始めたと、住友商事の今村氏は語ります。そこから、企業文化や組織体制の見直しを進めるとともに、ブランド全体の在り方を再定義。特に、ファンとブランドが一体となり、共感を軸に価値を共創する「共感価値経営」へシフトしたことが、リブランディングの成功に繋がったと今村氏は振り返ります。

 従来の卸売から小売へとビジネスモデルを転換した目的の一つに、顧客データの収集、つまり、“識別化”がありました。顧客データから見えてきたリブランディングの鍵となるファクト(事実)として上がったのが、“顧客層の若返り”だったとフェイラージャパン社長の八木氏は語ります。顧客データを分析すると、2015年当時の主な購買層は60~70代でしたが、2023年には30代~40代へと変化し、この層の比率が圧倒的に高いことが明らかとなったのです。

ファンとの一体感を生む「情緒的価値」とは

 “一過性のブームとならないように、ブランドとしてどうあるべきか”――リブランディングを行う中では常にそれを意識してきたと、八木氏は続けます。そして、機能性だけでなく、記憶や共感と結びつく「情緒的価値」を起点にした商品や体験こそが、ブランドの持続的な成長に繋がる”と考え、それらを再定義して届けることでブランドの再起を図っていきました。

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執筆者

  • APPARELWEB INNOVATION LAB.(アパレルウェブ・イノベーション・ラボ)

    アパレルウェブ・イノベーション・ラボ(AIL)とは、ファッション・小売関連企業の経営層に向けて“イノベーションのヒント”を届けるため、アパレルウェブが2017年10月にスタートした法人会員制サービス。小売、メーカー、商社、デベロッパー、ベンダー企業など幅広い企業会員が集うコミュニティでは、各種セミナーや交流イベントを定期開催。メールマガジン、Webメディア、会員レポート冊子などを通じて毎週オリジナルのビジネスコンテンツを発信。