AIL INSIGHT(メンバー限定)
2026年グローバルウェルネストレンド――なぜアパレル産業は「脳」と「健康寿命」を無視できないのか? 【AIL INSIGHT|Global Wellness Summit米国現地レポート】

AIL INSIGHT|トレンドの先の本質を掴む。AIL編集部が届ける、次の一手を導くインサイト――。Global Wellness Institute(グローバル・ウェルネス・インスティチュート、GWI)(注)によれば、世界のウェルネス経済は2023年から2024年にかけて7.9%成長と力強い成長を遂げ、2024年時点で6.8兆ドル(約1,054兆円※1ドルあたり155円で算出)に達しています。
さらに注目すべきは、この堅実な成長が一時的な健康ブームではなく、産業構造そのものの変化に支えられている点です。その変化とは、高齢化の進行、慢性疾患の増加、メンタルヘルスに関する課題の深刻化に加え、医療の重心が「治療」から「予防・長寿(ロンジェビティ)」へと移行しているという社会課題や社会変化が挙げられます。GWIはこれらの変化が今後さらに加速すると見ており、ウェルネス市場規模は2029年まで年平均7.6%で成長を続け、約10兆ドル(約1,550兆円)に迫ると予測しています。わずか数年で500兆円もの市場規模が上積みされる計算となり、あらゆる産業にとって無視できない巨大な経済圏への進化が示唆されているといえるでしょう。
本記事では、1月にニューヨークで開催されたGWI主催「Global Wellness Summit(グローバル・ウェルネス・サミット)」で発表された最新のグローバルウェルネストレンドと5つのポイント解説および、ニューヨークの最新リテールトレンド事例として「NIKE(ナイキ)」が発表したウェルネスの新カテゴリ「Nike Mind(ナイキ・マインド)」のシューズ試着体験レポートを紹介。単なる健康ブームを越えて拡張する次なるウェルネス市場を読み解いていきます。
(注)Global Wellness Institute(GWI):ウェルネス産業を専門に調査・研究する非営利のリサーチ機関。GWIが主催する「Global Wellness Summit」には、毎年世界中から数百名規模の専門家が集まり、ウェルネス経済の未来について議論が交わされる
2013年‐2029年の世界ウェルネス市場規模成長(出典:2025 GWI Figure-1.2)
ナイキによる初のニューロサイエンス・ベース・フットウェア「Nike Mind」(「NIKE」公式リリースより)
【本記事全文はAIL会員限定公開です。会員ログイン方法はこちら】
クイックサマリー
激変の時代に、何が書き換えられているのか?
2026年1月26日、ニューヨークで開催された「Global Wellness Summit」のプレス発表会会場には、世界中からメディア関係者やジャーナリストが集結し、オンライン・オフラインを問わず熱い視線が注がれていました。イベントでは、世界有数の専門家による知見とGWIの調査データをもとにまとめられた公式のグローバルウェルネストレンドが毎年発表されます。4時間半に及ぶイベントを振り返っても、一瞬たりとも長さを感じた瞬間はなく、それは目の前で語られるウェルネス市場の劇的な変化に筆者自身も強く共感する点が多くあったからだと感じます。
この数年、ウェルネス市場においては、過去20年分に匹敵するほどの変化が一気に起こりました。それは、ロンジェビティ(健康長寿)クリニックの急増、「Apple Watch(アップルウォッチ)」や「OURA(オーラリング)」といったヘルス面をサポートするウェアラブル機器の爆発的な普及などに代表されます。市場はハイテク化し、極限まで最適化を追い求める思考によって着々と書き換えられてきました。
こうしたテクノロジーの進化がもたらしたライフスタイルの変化は、アスレジャーやラウンジウェアなど、ファッション領域においても新たなビジネスを生み出す大きな契機となりました。一方で、その反動も起きています。いま私たちが求めているのは、テクノロジーとは一線を画す“人間らしさ”や“感情的な充足感”を伴うウェルネスなのではないでしょうか。
必見! 2026年グローバルウェルネストレンド10項目&5つのポイント解説
GWIでは毎年、10項目のウェルネストレンドを発表しています。2026年も大きな変革を感じさせる10項目が示唆されました(下図参照)。それらの項目の中から、より今年を象徴すると筆者がみる以下5つのポイントを厳選して解説していきます。
Point_1|「過剰な最適化」への逆襲──ウェルネス価値の再定義
Point_2|「女性が主役となる」新時代の巨大市場
Point_3|暮らしが変わる:ロンジェビティ不動産
Point_4|生き残り(サバイバル)のための新たなウェルネス:環境・社会危機へ即応
Point_5|香りの“レイヤリング”にみる、Z世代のライフスタイル新消費傾向

Point_1|「過剰な最適化」への逆襲──ウェルネス価値の再定義
【本記事全文はAIL会員限定公開です。会員ログイン方法はこちら】
執筆者
-

RINA Yoshikoshi
NYC在住ブランド、テクノロジー系ライター / コンサルタント|AILメディアパートナー
NYを拠点にブランド、リテール、ウェルネス、D2CのCPGブランドの現地市場を調査。店舗で導入される最新テクノロジーや米国での先進事例なども研究。執筆活動、リソースを元にしたマーケティング&ビジネスコンサルティングやアドバイザリーも行う。
関心: #ファッション #フィットネス #ウェルネス #スーパーマーケット+CPG




