Topics
AIL INSIGHT(メンバー限定)

NRF 2026: Retail’s Big Show(NRF リテールズ・ビッグ・ショー 2026) 開幕! テーマは「The Next Now」 – GoogleとWalmartが示した、AI時代の次世代リテール

RINA Yoshikoshi|AILメディアパートナー
執筆者

 2026年1月11日から13日までの3日間、ニューヨークで「NRF 2026: Retail’s Big Show(NRFリテールズ・ビッグ・ショー)」が開幕しました。毎年1月に全米小売業協会(NRF)が開催する世界最大の同イベントは、2026年度も小売業界を牽引するリーディングカンパニー、テクノロジー企業、スタートアップが一堂に会し、次世代の小売を形作るトレンド実装の最前線が共有されました。今年度は、過去最多となる4万人超えの集客が予想され、会期前から注目度が高まっていました。

 中でも注目を集めたGoogle(グーグル)と Walmart(ウォルマート)によるキーノートセッションでは、AIエージェントが主導するコマースの現在地と未来について、両社CEOによる実践面と見通しが語られました。ニューヨーク現地から速報レポートでお届けします。


関連記事:【NRF 2026速報】NRF 2026: Retail’s Big Show(NRF リテールズ・ビッグ・ショー 2026) 世界最大の小売カンファレンスがNYで開催――テーマは「The Next Now」

#NRF(展示会視察レポート)

🄫NRF Big Show 2026 – Jason Dixson Photography

 

NRF 2026 開催概要

  • 開催期間 :2026年1月11日(日)〜1月13日(火)
  • 開催場所 :ニューヨーク・マンハッタン / ジャヴィッツ・コンベンション・センター
  • 来場者数 :40,000人以上
  • ブランド数  :6,500以上
  • 出展社数 :1,000社以上
  • 登壇社数 :450社以上
  • セッション数:170以上

2026年テーマ:『The Next Now』とは何か?

 全米小売業協会が2026年度のテーマに選んだのは『The Next Now(ザ・ネクストナウ)』。これは「次の未来」ではなく、すでに始まっている変化に“今”どう対応するかという、極めて実践的なメッセージを放っていました。

  • ✔高まる消費者期待・複雑化
  • ✔AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化
  • ✔価格・人材・オペレーションを巡る現実的な課題

 

上記ような状況において、リテーラーは、スピード・柔軟性・実装力がこれまで以上に求められています。

Google――AIとエージェントが書き換える、リテールの「現在地」

 「NRF 2026」初日、筆者が最も注目したキーノートセッションは、Google(グーグル)およびAlphabet(アルファベット)CEOである Sundar Pichai(スンダー・ピチャイ)氏と、米 Walmart(ウォルマート) 社長兼CEOである John Furner(ジョン・ファーナー)氏による対談でした。公式セッションタイトルは、The AI platform shift and the opportunity ahead for retail”――AIを単なる“機能”としてではなく、“プラットフォームの転換”として捉え、その先に広がる小売の可能性を示す――といった論点で議論が繰り広げられました。

GoogleおよびAlphabet CEO、Sundar Pichai(スンダー・ピチャイ)氏
🄫NRF Big Show 2026 – Jason Dixson Photography

 

 米Google CEO ピチャイ氏は今回がNRF初登壇となりました。一方、ファーナー氏は、Walmart U.S.のトップとして長年現場を率いてきた人物であり、今年2月にはWalmart Inc.全体の社長兼CEOに就任することが決定しています。小売業界とテクノロジー業界を象徴する二名が同じステージに立つ構図は、それだけで大きな注目を集めるものでした。

 セッションの幕開けには、昨年世界的な話題となった「Netflix(ネットフリックス)」のアニメ映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』の楽曲「Golden(ゴールデン)」が使用され、会場の空気は一気に高揚感に包まれます。登壇冒頭、ピチャイ氏は、Googleがこれまで経験してきた「20年前のWebへのシフト」と「10年前のモバイルへのシフト」という大きな技術転換の流れを振り返り、いずれの局面においても、同社はテクノロジーの転換点を常に「チャンス(機会)」として捉えてきたと述べました。そして、約10年前に訪れた「AIへのシフト」について同氏は、これを自身の生涯においても最も大きなプラットフォーム転換として位置づけていると言及。現在進行形である「AIへのシフト」は、単なる新技術の登場ではなく、テクノロジー全体を組み替える存在であるという認識が示されました。

 小売業界におけるAI利用はすでに急速に拡大しています。ピチャイ氏によれば、2024年12月時点で、小売業界がGoogleのAPIを通じて処理したトークン数は8.3兆に達しており、それらが1年後には90兆以上にまで増加、前年比で11倍以上の成長を記録しているといいます。

AIとの会話を購入に直結 新プロトコル「Universal Commerce Protocol(UCP)」

これより先はAIL会員限定記事です

執筆者

  • RINA Yoshikoshi

    NYC在住ブランド、テクノロジー系ライター / コンサルタント|AILメディアパートナー

    NYを拠点にブランド、リテール、ウェルネス、D2CのCPGブランドの現地市場を調査。店舗で導入される最新テクノロジーや米国での先進事例なども研究。執筆活動、リソースを元にしたマーケティング&ビジネスコンサルティングやアドバイザリーも行う。
    関心: #ファッション #フィットネス #ウェルネス #スーパーマーケット+CPG