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「Foot Locker(フットロッカー)」が語った“変化に強い組織”の作り方|米国開催 CommerceNext2025(コマースネクスト)取材レポート【Coffee Talk from NYC Vol.32】

ニューヨーク現地より、小売×テック関連の旬なトピック・体験レポートをお届け。アメリカのコーヒーブレイク中に行われるカジュアルミーティング、“Coffee Talk”にちなんで、気軽にインプットいただけるレポートを定期配信していきます。
Vol.32では、2025年も折り返し地点を迎えたこのタイミングで、筆者が先月参加したビジネスカンファレンス「CommerceNext(コマースネクスト)」について紹介します。「CommerceNext」は、小売業およびD2C企業のリーダーに向けて、毎年ニューヨークで開催されている業界イベントで、筆者にとっては今回が初参加でした。
会場となったのは、マンハッタンのヒルトンホテル。AI、Eコマース、マーケティング、店舗、テクノロジーなど多岐にわたる75以上のセッションが用意され、今年も2,700人以上の参加者が集まったと報告されています。
本稿では、その中から、今年5月に米スポーツ用品大手の「Dick’s Sporting Goods(ディックス・スポーティング・グッズ)」によって買収された、大手スニーカー・アパレル小売の「Foot Locker(フットロッカー)」による注目の登壇セッションを取り上げます。
長期戦略「Lace Up Plan(レースアップ・プラン)」とは?
画像左:米「Foot Locker」のキム・ウォルドマン氏。
「CommerceNext 2025」のキーノートに登壇。組織文化と顧客戦略について語った
このキーノートセッションでは、「Foot Locker」のSVP兼グローバル・チーフ・カスタマーオフィサーであるキム・ウォルドマン氏が登壇しました。セッションの中では、同社が掲げる長期戦略「Lace Up Plan(レースアップ・プラン)」における4つの主要施策が紹介されました。
1つ目は、「コンシューマー・カルチャーの拡大」。より多様な顧客層、特に女性層の獲得を目指し、購買機会と選択肢の拡充、ブランドポートフォリオの多様化を進める戦略です。
2つ目は、「ポートフォリオの強化」。店舗のブランド基準を引き上げることで、質の高い顧客体験を提供し、出店戦略と不動産活用を通じて多様性を確保していく方針が語られました。
3つ目は、「顧客エンゲージメントの強化」。ロイヤルティプログラムへの投資を通じて、よりパーソナライズされたコミュニケーションを実現し、顧客との関係を深化させる狙いがあります。
そして4つ目が、「オムニチャネルの強化」。店頭で培った接客スキルやブランド体験を、オンラインにもシームレスに展開していくことを目指すと語りました。
“耳を傾ける”というシンプルな行動が変えたこと
キーノートのステージの様子(筆者撮影)
執筆者
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RINA Yoshikoshi|AILメディアパートナー
NYC在住ブランド、テクノロジー系ライター / コンサルタント
NYを拠点にブランド、リテール、ウェルネス、D2CのCPGブランドの現地市場を調査。店舗で導入される最新テクノロジーや米国での先進事例なども研究。執筆活動、リソースを元にしたマーケティング&ビジネスコンサルティングやアドバイザリーも行う。
関心: #ファッション #フィットネス #ウェルネス #スーパーマーケット+CPG