AIによる新キュレーション機能「Shop the Look（ショップ・ザ・ルック）」

　多種多様な商品が売買されるグローバルオンラインプラットフォームの「eBay（イーベイ）UK」は、AIを活用した新機能として、顧客の買い物履歴に合わせてインスピレーションを刺激する着こなしを提案する「Shop the Look（ショップ・ザ・ルック）」をローンチしました。

　よりパーソナライズ化された提案を実現するこの新機能は、「eBay」のiOS専用アプリで利用でき、現在は米国と英国の顧客向けに導入されています。2024年後半にはアンドロイド版でも展開されるといいます。

 

 

「Shop the Look」の利用イメージ動画（「eBay」公式リリースより）

 

　「Shop the Look」は、過去180日間に10点以上のファッションアイテムを閲覧した顧客のマイページに登場します。顧客の購買履歴や閲覧履歴から、より好みやワードローブに合うコーディネートや商品を、カルーセル画像で提案してくれます。キュレーションされる商品は新品に限らず、中古アパレル商品から高級ブランド商品に至るまでミックスされ、「eBay」が保有する膨大な商品数とバリエーションの中からAIによる選定のもと、表示されます。

専用アプリでの「Shop the Look」利用イメージ（「eBay」公式リリースより）

 

　このAIを利用した新機能は「eBay」の専属AIチームとResponsible AI (RAI) Principles（R.A.Iプリンシプル）社との共同開発によって提供されています。同機能は、ファッションに限らず、他のカテゴリーへの拡張も検討されています。

中古アパレルの販売手数料を廃止へ

　また、中古アイテムの専用ぺージを設ける「eBay」では、サーキュラーファッションを促進することを目的とし、中古アパレル商品の販売手数料を廃止しています。これは、英ロンドン発のファッションフリマアプリ「Depop（ディーポップ）」が10％の販売手数料を先立って廃止したことに対抗する施策で、「eBay」では、個人出品者に限り手数料無料を実施しています。

 

「eBay UK」の出品サイトトップページでは「Sell pre-owned clothing for free（中古品を無料で出品）」と訴求

 

　今回の販売手数料の廃止は、すでに出品されている商品も対象となりますが、スニーカー、時計、ハンドバッグ、宝飾品といった高額商品は除外されています。

　「eBay」では、独自の消費者調査において、92%の成人が過去12ヶ月間に未着用の衣服が1着以上あると答えているにも関わらず、わずか25％しかそれらの不要な衣服を販売していないというレポートを発表。その調査を受け、同社では、出品手数料を無料にすることで「Depop」と同様にサービスの新規利用者を獲得することを狙いとしています。

　一方、対照的に「eBay」では新たに購入者へ対する買取手数料の導入を検討しています。固定額の1ポンド（約192円）に加え、購入商品代金の最大5%が購入金額に上乗せされる予定です。代表的なフリマアプリ「Depop」に続いて「eBay」においても、出品者ではなく購入者から手数料を得るビジネススタイルが定着しつつあります。

「クリックして再販」ボタンを設置　商品情報もデジタルIDで自動反映

　消費者やブランドのサーキュラーファッションへの参加を促す同社のサービスの進化はとどまることを知りません。「eBay」ではさらに、一度購入した商品を、数回のクリックで「eBay」内で再販することのできる「resell on eBay（eBayで再販）」機能の追加を発表しました。

「resell on eBay」の利用イメージ（「eBay」公式リリースより）