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マルチチャネルを1つに! ファッションECのZalandoが欧州全土を網羅する 新・物流サービス「ZEOS(ゼオス)」を発表【EU最新小売トレンドレポート】

高嶋 一行|Kazuyuki Takashima
Showcase Tokyo代表・在英ライター|AILメディアパートナー
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 オンラインでの購入割合が増える中、重要度が今まで以上に高まっているのが物流サービス。購入品を顧客の元へ「速く、効率良く、低コスト」で届けることが必要になってきます。

 日本はもちろんですが、英国やヨーロッパでも、オンライン上で商品を販売しているファッション企業の多くは、常により良い物流サービスのアップデートを行っています。そんな中、ヨーロッパのファッション業界で、注目すべき新しいサービスが発表されました。

 新しいサービスを発表したのは「Zalando(ザランド)」と呼ばれるドイツを拠点とした大手ファッションEC企業。ファッションに特化したECサイトをヨーロッパ各国で展開し5,000万人以上のユーザーを抱える大型オンラインセレクトショップとして人気を集めています。

 今回「Zalando」がB2B向けに2023年11月に発表した新サービスが、「ZEOSゼオス)」と呼ばれる物流に特化したサービスです。

 

「ZEOS」のサービス紹介のプレゼンテーション動画。
ヨーロッパの隅々までネットワークを張り巡らせた物流サービスをアピール(「ZEOS」YouTube公式アカウントより)

 

 「Zalando」ではこれまでにも、自社が持つヨーロッパ全体の大型ロジスティック設備を活用した物流サービスを他社に提供しており、その取引先は1,000社を超えるといわれています。これらは、同社が15年以上ヨーロッパ内でECサイトを運営し、4億点以上の商品を出荷してきたノウハウを活かしたサービスです。

 これまでのサービスは下記のように、「Zalando」の名前を冠したものが数種類存在していました。

 

 その中で今回、これらの全ての既存の物流サービスが「ZEOS」として統一され、サービス内容もアップデートされました。

豊富な物流設備・ネットワークを他社へ提供

従来提供されていた「Zalando」の物流サービスを全て1つにまとめ、新たに「ZEOS」としてリニューアル。
「Zalando」の枠を超えた新・物流サービスとしてブランディングされた(「ZEOS」公式サイトより)

 

 「Zalando」では物流ネットワークもヨーロッパ全体を網羅する形で完備しています。23のヨーロッパの国・地域へ商品を販売する中で、独自に12のフルフィルメントセンターを運営。これは、合計1.3万平方キロメートルにおよぶ物流設備で、東京ドーム約28個分に相当します。また、配送にはヨーロッパ内で約40の配送業者と契約し、165のローカルデリバリーサービスを張り巡らせるなど、ヨーロッパ全体の物流をカバーしています。

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執筆者

  • 高嶋 一行|KAZUYUKI TAKASHIMA

    Showcase Tokyo代表・在英ライター|AILメディアパートナー

    ファッション専門学校卒業後、渡英。「ELEY KISHIMOTO(イーリー キシモト)」にてデザインアシストを経験。現在は英国を拠点に日本ブランドの海外セールスを行うエージェント「ShowcaseTokyo」を運営。東京ファッションウィーク参加ブランドなど、日本のデザイナーズブランドの海外進出や新規取引先開拓の支援を行っている。 パリファッションウィーク期間では年4回それぞれのシーズンに営業担当する日本ブランドと共に参加。バイヤー向けの展示会を開き、ヨーロッパを中心に海外のお店やバイヤーとの取引を進める。