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アメリカ小売の今を読む:AWAY(アウェイ)・Lululemon(ルルレモン)・Walmart(ウォルマート)-ドローン宅配・AIアプリ導入・「独立記念日」商戦-

6月から7月のアメリカでは、B2B向けのビジネスカンファレンスや展示会などのイベントが数多く開催されます。また、顧客向けのポップアップショップやエンターテインメント関連のイベントも頻繁に行われる時期です。筆者も最近は、もはやインプット月間といっても良いほど、ビジネスカンファレンスからブランドイベントへと目まぐるしく足を運ぶ日々を送っています。
今回は、筆者がニューヨークをリサーチする中で注目する、3つの米国小売の最新動向を皆様へお伝えしていきます。
AWAY | アウェイ
[業態:トラベルブランド]https://www.awaytravel.com/
「AWAY」店頭の様子(筆者撮影)
2015年にニューヨークで創業した「AWAY(アウェイ)」は、D2Cブランドとして高く評価されています。特に、2019年頃には消費者の強い支持を集め、企業評価額が14億ドル(約2,020億円)に到達。ユニコーン企業と称されました。現在も人気のラゲージブランドとして存在感を放つ「AWAY」は、さまざまなコラボレーションに加え、今年5月にはキッズコレクションを発表しました。
また直近では、米Amazon内にブランド公式ページを開設。これにより、特に、Amazonプライムメンバーにとって、ますます買い物しやすい存在となりました。
米Amazonに設置された「AWAY」専用ページ
一方、経営体制については、共同創設者でCEOを務めてきたJen Rubio(ジェン・ルビオ)氏が退任、後任には元ブランド社長のJessica Schinazi(ジェシカ・シナジ)氏がCEOの座に就任しました。ルビオ氏は取締役会長として、今後もブランドを支援していくということです。
Lululemon | ルルレモン
[業態:アクティブウェア]https://shop.lululemon.com
先日、日本でも人気のアクティブウェアブランド「Lululemon(ルルレモン)」の2025年度第1四半期決算が発表されました。報告によると、売上高は前年同期比7.3%増の23億7,066万ドル(約3,420億円)となり、引き続き成長を維持した着地となりました。
しかしその一方で、アメリカ地域の既存店舗売上高が2%減となったという報告が注目されています。この減少は、全体的に見られる消費者の慎重な購買姿勢にあると考えられますが、「Alo Yoga(アローヨガ)」や「Vuori(ヴオリ)」など、新興アスレジャーブランドの人気上昇も多少なりとも影響をもたらしているのではないか、と筆者は考えます。
とはいえ、世界に770店舗を持つグローバルブランドである「Lululemon」のことですから、店舗・EC、コミュニティ力、そして高品質の新商品の展開などを通じ、今年後半は再び売上を伸ばしていくと予想されます。
現に商品面では、2015年に登場して以来人気を博している「Align(アライン)」から、新モデル「Align No Line™(アライン・ノー・ライン)」が発売され、大々的なキャンペーンを実施中です。新モデルのレギンスは、ウエスト部分の縫い目をなくしたデザインで、これまで以上に快適で滑らかなフィット感を実現しています。筆者も同社製品の中で「Align No Line™」は購入してみたいと思えるスタイルのひとつです。
新ラインの「Align No Line™」。
ウエスト~フロント部分に縫い目がないのが特徴(「Lululemon」公式サイトより)
Walmart | ウォルマート
[業態:スーパーマーケット]https://www.walmart.com/