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メタバースの現在地、実際どうなのか? アダストリアが注力する理由~ファッション特化型メタバースプラットフォーム「StyMore(スタイモアー)」4月10日(水)オープン~

AIL編集部
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 「Play fashion!」をミッションに掲げ、”グッドコミュニティ共創カンパニー”を目指すアダストリアは、業界初となるファッション特化型のメタバースプラットフォーム「StyMore(スタイモアー)」を2024年4月10日(水)にオープンしました。「StyMore」への第一弾参入企業として、株式会社サンリオが決定しています。

 今後、さまざまな事業会社や個人クリエイターが出店し、ファッション領域でのメタバース事業を拡大していくという同社のメタバース参入理由と背景について、プレスリリースより抜粋・一部編集し紹介していきます。

「StyMore」で展開するデジタルファッションアイテム(プレスリリースより引用)

デジタルファッションの需要に伸び メタバース市場の潜在性

 同社の独自調査(注1)によると、アバター関連商品への年間支出額は全体で「30,000~49,999円」と「100,000円~」が18.3%と最も高く、アバター向け衣装の購入頻度は「月に2~3回」が42.2%と最も高い結果となりました。普段のリアルの洋服の購入頻度は「2~3ヶ月に1回」が34.3%と最も高いことから、リアルの洋服購入頻度より、メタバース向けアバター衣装の購入頻度の方が高いことがうかがえます。


(注1)インテージホールディングス グループR&Dセンターとの共同研究より抜粋。2024年2月実査。

 

アバター関連商品への年間支出額
「30,000~49,999円」と「100,000円~」が18.3%と最も高い(プレスリリースより引用)

 

アバター向け衣装の購入頻度
「月に2~3回」が42.2%と最も高い(プレスリリースより引用)

 

普段の洋服の購入頻度 
「2~3ヶ月に1回」が34.3%と最も高い(プレスリリースより引用)

 

 前述から、デジタルファッションには既に需要性と今後拡大する可能性がある潜在市場であると同社は捉えています。メタバースの世界では、(自身のアバターの)洋服やアクセサリーを購入するといったファッションを楽しむ購買行動が生まれおり、その他にも、音楽フェスや旅行に行ったり、友人たちと会話をしながら食事をしたり、といった、人のリアルな日常と変わらない地続きな世界が既に成り立っています。

2022年にアダストリアが販売したオリジナルアバター。
アバターが身に付けるデジタルファッションや小物雑貨も販売しており、その割合はメタバース全体売上の約8割を占める(プレスリリースより引用)

 

 アダストリアではこのメタバースの世界を新たなビジネス機会と捉え、ファッション特化型のメタバースプラットフォーム「StyMore(スタイモア―)」の立ち上げに至りました。70年間ファッションブランドを営んできた実績をもとに、同社はリアルでもバーチャルでもファッションを楽しむ機会を提供し、さまざまな企業やクリエイターと協業しながら顧客接点の拡大とコミュニティを共創していくといいます。今後の同社のメタバース事業に引き続き注目していきます。

「StyMore(スタイモア―)」について

<URL> https://stymore.jp/ *サイトオープン日時:2024年4月10日(水)10:00

 「StyMore(スタイモア―)」は、自分の好きなスタイルでファッションを楽しむ“Style”、もっとファッションを楽しむ“More”の2つの言葉を掛け合わせ、バーチャルでもリアルでもファッションを楽しんでいただきたい、という想いを込めた、ファッション特化型メタバースプラットフォーム。同メタバースで購入したデジタルファッションアイテムは、スマートフォンアプリでアバターに簡単に着せ替えて(※一部アイテムのみ)、VRChat(注2)などのメタバース空間へアップロードすることができます。


(注2)VRChat:VRChat Inc.によって運営が行われているソーシャルVRプラットフォーム

<「StyMore(スタイモア―)」の特徴>

①専門性
アパレルECサイトのように直感的にファッションスキンを探せるサイトデザイン
②テクニック
3DCGソフトがなくてもアバターの着せ替えができる
VRChatをはじめとした4つのプラットフォームで展開可能(※順次拡大予定)
③安心・安全
出店者の審査、作品のクオリティチェック
過度な露出、公序良俗に反するスキンなどは出品ができない
④取扱いアイテム
今後、スタイモア―でしか買えないアイテムの販売(※IPや企業とのコラボを予定)

<ビジネスモデル>
個人のクリエイターや事業会社のメタバースアイテムをStyMore(スタイモア―)に出品いただき、ユーザーはStyMore(スタイモア―)に出品されたデジタルアイテムを購入。購入代金のうち、個人クリエイター7%、企業10%の手数料(注3)を引いた金額が出店者の売上として受け取りできるビジネスモデルです。


(注3)サービス開始時の手数料
「StyMore」のビジネスモデルイメージ(プレスリリースより引用)

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  • APPARELWEB INNOVATION LAB.(アパレルウェブ・イノベーション・ラボ)

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