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プロポーズは「そろそろ、団地買わない?」 シンガポールの驚きの結婚事情~政府が「デートの仕方を教えてくれる」~【シンガポールリアルトレンドレポート】
晩婚化が進んでいる先進国は少なくありません。シンガポールもその中の1つです。シンガポールでは1980年代から、女性の社会進出に伴い、大学院生の女性の独身率が増加していることが人口調査によって判明しています。1984年に大学院生の独身者の社会的交流と結婚を促進することを目的に、シンガポール政府は「社会開発ユニット(SDU)」を設立しました。以来、ディナーや外出など、最近では政府主催のマッチングイベントを通じて、大学院生の独身女性を含め国民に出会いと交流の機会を提供しています。
今回は、シンガポールのブライダルビジネスから政府支援策、びっくりするようなリアルな婚活事情、結婚観についてご紹介していきます。
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政府統計から見た結婚事情
日本と同様、晩婚化が進むシンガポールですが、シンガポール人の結婚願望は強いのでしょうか?
首相官邸戦略グループ(Strategy Group, Prime Ministerʼs Office)の「2021年結婚・子育て(M&P)調査」によれば、シンガポール人は結婚・子育て願望が依然として強いことが分かりました。しかし、既婚者では希望する子供の数が少なく、独身者では“今まで一度も付き合ったことがない”という人が多いとの結果もわかったのです。
特に、若い独身回答者(21~35 歳)の過半数(80%)が結婚の意向を示していますが、2016年(83%)、2012年(86%)と比べると若干減少しています。過去の調査と同様に、独身回答者の過半数(75%)は「キャリアを持つことと家族を育てることが同じくらい重要」と回答し、「キャリアよりも家族が重要」だと考えている人は少数派であることが分かります。
筆者も実際に住んで感じたことですが、シンガポールの女性は結婚・出産した後もキャリアを追求するのが当たり前です。住み込みのメイドを雇ったり、祖父母が子供の面倒を見 るカルチャーがあるため、子育て支援政府統計から見た結婚事情を得やすいという背景があります。また、女性がキャリアを追求したり、 家事、育児のサポートを受けることに罪悪感を持つことなく、周りの人からも罪悪感を押し付けられることがない社会の在り方が、女性の社会進出と結婚・育児の両立を容易にしています。
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執筆者
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シンガポール在住AILメディアパートナー