2024年3月19日、株式会社七葉が展開する抹茶ドリンク＆フードの専門店「nana’s green tea（ナナズグリーンティー）」は、ニューヨークのマンハッタンに「Broadway Store（ブロードウェイストア）」をオープンした。米国出店は、シアトルやハワイに続き、4店舗目となる。

　米国現地時間の4月24日にはグランドオープニングイベントが開催された。日本からは、七葉の代表取締役・朽網 一人（くたみ かずと）氏が着物姿で登場しテープカットに参加。現地のビジネスパートナーや関係者と共に、ニューヨーク出店が盛大に祝われた。

 

グランドオープニングセレモニーの様子。中央の着物姿が七葉代表・朽網氏（筆者撮影）

 

　この度、ブロードウェイ店が出店したエリアは、エンパイアステートビルディングや百貨店「Macy’s（メイシーズ）」から数ブロックのマンハッタン中心部に位置し、オフィスビルも多く、観光客だけでなくローカルの人々もよく訪れる。店舗は韓国街の飲食店が並ぶメイン通りの入口に位置し、常に人で賑わうかなりの好立地だ。

 

ブロードウェイ店の外観（七葉広報より提供）

 

ブロードウェイ店の内観（七葉広報より提供）

 

内装は、職人により作られた一本の古木を贅沢に使用したベンチが特徴（七葉広報より提供）

 

　「Broadway Store」の店内で使用している一部ベンチには、日本で古民家に使用されていた再生木材を活用しているという。一本の古木を贅沢に使用し、日本の職人が丁寧に磨き上げたベンチは、「艶もあり、滑らかな手触り」が特徴だ。是非、ニューヨークに立ち寄った際は、この「日本の職人技術」を是非体験いただきたい。

オープン当日は入口に行列ができ、大盛況（七葉広報より提供）

 

　筆者もオープニングイベントに参加し、早速、新店舗でドリンクやデザートを試食。日本で「nana’s green tea」を訪れたことがなかったため、ローカルの人と同じ感覚で久しぶりの“MATCHA”スイーツを楽しんだ。現地でもよくSNSでシェアされている主力商品の一つである「抹茶白玉パフェ」は、抹茶の品質の高さを味わえるだけでなく、小豆、白玉、コーンフレークなどそれぞれの異なる食感を楽しめて、口に運ぶ度に満足度が倍増する。価格は12.45ドル（約1,900円）。このボリュームと品質を考えると、良心的な値段だと感じた。

 

「nana’s green tea」の主力商品の一つ「抹茶白玉パフェ」（七葉広報より提供）

 

　久しぶりに本場の日本のデザートをゆっくり堪能していると、次第に店内は一般客で席が埋まりはじめ、空席を探す人が見られるほどに。同店舗の特徴は、オーダー用のキオスク端末が設置されていること。客は来店すると入口付近に設置されたキオスク端末で注文を進める（決済は別）。キオスク端末による注文スタイルは、ニューヨーク韓国街のフードホールやカフェでは一般的な方法で、来店客も慣れた様子でスムーズに活用していた。ローカルに浸透しているサービスを開店時から導入していることも、客足が絶えない理由の一つかもしれない。

 

「nana’s green tea」ブロードウェイ店の店内入口に設置されているオーダーキオスク（筆者撮影）

 

「nana’s green tea」ナナズグリーンティー

• 公式サイト　https://www.nanasgreentea.com/
• 公式インスタグラム　https://www.instagram.com/nanasgreentea_newyork/

「nana’s green tea Broadway Store」ブロードウェイストア

• 住所：1250 broadway, New York, NY 10001, アメリカ
• 営業時間：平日 11:00〜22:00　祝日 11:00〜23:00

 

■「健康志向」でお茶がニューヨークでも大注目

TBSテレビ「Nスタ」で、「nana’s green tea Broadway Store」が紹介された（「nana’s green tea」公式サイトニュースより）

 

10年程前から始まった“MATCHA（抹茶）”ブーム

2016年にニューヨークにオープンした「Cha Cha Matcha」（筆者撮影）

 

　アメリカで抹茶ブームの兆しを感じ始めたのは2015年頃だっただろうか。その頃には、すでにセレブ界隈で抹茶が話題になっていたと記憶している。筆者はその夏に、「Jacob Javits Center（ジャビッツ展示場）」で開催された米国西部最大のB2B専門の食品・飲料品の専門の見本市「Summer Fancy Food Show（サマーファンシーフードショー）」に取材とリサーチで訪れた。そこでは当時すでに抹茶商品を展開する企業が出展していた。

　翌年の2016年には、抹茶専門カフェ「Cha Cha Matcha（チャチャマッチャ）」の第1号店がマンハッタンのダウンタウンに位置するノリータにオープンし、抹茶人気は一気に加速。登場するやいなや、抹茶はオシャレでヘルシーなドリンクとして変身を遂げた。

　フードカルチャーは常にファッションと関連している。ファッション関係者には食通も多くヘルスコンシャスなこともあり、パーティーやイベントの際には、どういったCPGブランドが協賛するか、どんな飲食のケータリングが用意されるかなど、食においても常にセンスが求められ、注目される。

　記憶を遡ってみると過去にはこんなことがあった。創設当初から大人気だった「Cha Cha Matcha」は、なんと故ヴァージル・アブローとチームアップ。彼は「Louis Vuitton（ルイ ヴィトン）」のメンズアーティスティック・ディレクターとして活躍している最中に「Cha Cha Matcha」のオリジナルアパレルのデザインを手掛けている。（当時の記事：HYPEBEAST）

 

抹茶を使用した食品やサプリメント（筆者撮影）

 

　ニューヨークで暮らしていると、カフェメニューに「抹茶ラテ」のチョイスがあることが当たり前になっている。また、抹茶はドリンクとしてだけでなく、グラノーラやエナジーバーなどの健康食品、サプリメントのフレーバーなど、さまざまなカテゴリへ拡大している。ブームから10年経った現在、抹茶はアメリカのカルチャーにしっかりと根付いていることを改めて実感した。

 

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