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Temu(テームー)欧米市場で急成長 Amazon(アマゾン)の牙城を崩すか?! 越境ECは価格競争から「供給網競争」へ

ケルビン・アウ|AILメディアパートナー
AIL編集部により編集
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 中国発大手格安ECプラットフォーム「Temu(テームー)」が、欧米の越境EC市場において、その存在感を急速に高めています。長らく王座に君臨してきたAmazon(アマゾン)を猛追し、肩を並べる規模にまで成長しています。


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 South China Morning Post(サウス・チャイナ・モーニング・ポスト)によると、親会社PDD Holdings(PDDホールディングス)のサプライチェーン統合力を背景に、傘下の「Temu」は、低価格だけでなく物流モデルの効率化を進め、欧米市場で急速にシェアを拡大しています。特に、「セミマネージド(半委託)」モデルの導入により、従来の小型商品中心のモデルから、現地倉庫と販売支援を組み合わせた運営方式を強化し、大型商品の取り扱いへとカテゴリーを拡大。さらに、配送時間の短縮と返品対応の改善に成功したことが、欧米市場での購買障壁を劇的に引き下げました。これが、Amazonの牙城を崩す決定打となるのではと注目を集めています。

 一方、「Temu」の躍進に対し、Amazonも異例の対抗策を相次いで打ち出しています。同社では、低価格アパレル商品の販売手数料見直しや、中国の製造拠点から直接顧客へ配送する「直送型販売」を拡充して新たな低価格セクションを立ち上げるといった動きがあります。これは、事実上の価格競争に踏み切っている点に加え、供給網の主導権を巡る構造競争が鮮明になっているといえるでしょう。「Temu」ではすでに、一部の主要市場における月間アクティブユーザー数はAmazonに匹敵する水準に達しており、越境ECの争いはかつてない激しさを増しています。

 ただし、「Temu」の成長は地政学的な逆風や国による規制環境の影響を受けやすく、特に米国における関税制度の見直しや、労働環境・品質管理への監視強化は厳しさを増しており、それらが今後の同社の成長ペースを左右する可能性があります。とはいえ、データ駆動型(データドリブン)のマーケティングと効率的なサプライチェーンを背景に、「Temu」はなおグローバル市場での存在感を高め続けています。Amazon一強時代が終焉を迎え、越境ECの勢力図は歴史的な転換点を迎えるのか――「ブランド競争」から「供給網競争」へと軸足を移しつつ、持続可能な成長に向け、その真価がいま問われています。

 


参照:
https://www.scmp.com/tech/tech-trends/article/3340415/chinese-owned-temu-catches-amazon-global-cross-border-e-commerce?module=perpetual_scroll_0&pgtype=article

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