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ファッションは「ファスト」から「スロー」へ #Vol.3 中古品スタイリングのテレビ番組でマス向けに認知拡大する「Vinted」【EU×二次流通フォーカス】

高嶋 一行|Kazuyuki Takashima
Showcase Tokyo代表・在英ライター|AILメディアパートナー
執筆者
英国Vinted(ヴィンテット)のトップページ。
主婦層を中心に支持を集める中古プラットフォーム。

 

 ファッションにおける二次流通の需要が高まっていることは数年前からさまざまなメディアで取り上げられています。またファッション業界の関係者であれば、二次流通市場の拡大はデータだけでなく普段の生活でも実感することは決して少なくはないのではないでしょうか。

 世界的に見てもファッションの二次流通市場の規模は確実に拡大しており、EU内でも、従来の小売と比べて二次流通市場は11倍の速度で成長すると言われています。加えてアメリカのデータではありますが、2030年にはファストファッションに比べて二次流通の市場規模は2倍になると予想されています。

 特にヨーロッパでは、広がるサステナブルな意識にプラスして、現在の物価高や生活コストの上昇などにより、比較的安価な中古ファッションを求める傾向がさらに広がっています。


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「Vinted」は英国テレビ番組でマス層に向けて認知へ

 中古プラットフォームとして英国やヨーロッパを中心に展開する「Vinted(ヴィンテット)」もセカンドハンド品の需要が高まる中で業績を伸ばしているサービスです。ヨーロッパだけでなく米国にも進出済みで、2021年には世界全体で2億4,500万ユーロ(約375億円)の売上を達成したと発表しています。

 そして、同社は業績好調と、消費者による中古プラットフォームの利用増加を受け、よりマス層への利用拡大を試みています。今年の春から「Vinted」は英国の全国ネットであるテレビ局「チャンネル4」にてテレビ番組をスタート。スポンサーを務め、「Vinted」のサービスを利用した視聴者参加型の番組が放送されています。

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執筆者

  • 高嶋 一行|Kazuyuki Takashima

    Showcase Tokyo 代表・在英ライター|AILメディアパートナー

    ファッション専門学校卒業後、渡英。「ELEY KISHIMOTO(イーリー キシモト)」にてデザインアシストを経験。現在は英国を拠点に日本ブランドの海外セールスを行うエージェント「ShowcaseTokyo」を運営(https://www.showcasetokyo.co.uk)。 東京ファッションウィーク参加ブランドなど、日本のデザイナーズブランドの海外進出や新規取引先開拓の支援を行っている。 パリファッションウィーク期間では年4回それぞれのシーズンに営業担当する日本ブランドと共に参加。バイヤー向けの展示会を開き、ヨーロッパを中心に海外のお店やバイヤーとの取引を進める。