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アメリカで続くエクスペリンシャルストアの閉店に思うこと【Coffee Talk from NYC Vol.11】

RINA Yoshikoshi
NYC在住ブランド、テクノロジー系ライター / コンサルタント
執筆者

 ニューヨーク現地より、小売×テック関連の旬なトピック・体験レポートをお届け。アメリカのコーヒーブレイク中に行われるカジュアルミーティング、”Coffee Talk”にちなんで、気軽にインプットいただけるレポートを定期配信していく。

 Vol.11では、最近のニューヨークのアパレル・ファッション小売の変化についてみていく。

 ニューヨークファッションウィークが開催された9月。数を追いきれないほど多方面で開催されたマーケティングイベントもひと段落し、街の様子を見ると、まるで衣替えのように、新店舗のオープンやブランドの閉店に遭遇する。また、ホリデーシーズンに向け、2024年に向けて着実に、小売業全般にわたり変化の波が小さくいくつも揺らいでいるように感じる。

ビジネスの再建に向け、出店店舗を整理した「Showfields

「Showfields」の店舗の様子(筆者撮影)

 

 世界で最もユニークなリテーラーとして、2019年12月に、マンハッタンのノーホー地区に4階建てのストアをオープンした「Showfields(ショーフィールズ)」が2023年9月末をもって閉店した。この閉店は今年7月のマイアミ店の閉店に続く形だった。アメリカ現地の報道によれば、同社は、ブルックリン店、ワシントンD.C.店、そしてロサンゼルス店の残り3店舗にビジネスをフォーカスしていくそうだ。

 すでにマンハッタンの店舗は撤収工事が行われ、華やかだったストアウインドウにはテナント募集のサインが掲げられている。空高くはためいていたストアフラッグもこのビルの住所となる「11 Bond」 に差し代わった。

 閉店したマンハッタンの店舗周辺には、メンズウェアの「Kith(キス)」やスポーツブランドの「On(オン)」、ラゲージブランドの「Away(アウェイ)」など多数のブランドショップが出店しており、TikTokやInstagramなどのSNSでバイラルとなった話題のクロワッサンを販売するレストランもある。ローカルの人はもちろん、観光客が多いエリアだ。

 これまで筆者もD2Cブランド、そしてフィジカルにおける小売店舗の変化を追い続けてきたが、2020年に世界的に起こった新型コロナウイルスのパンデミックは、エクスペリエンスを売りにしていた「Showfields」にとって多くのチャレンジを与えたことだろう。

 「Showfields」は再建に向け、連邦破産法第11章の適用を申請している。


Showfields – Brooklyn
187 Kent Avenue, Brooklyn
https://showfields.com/

早い決断で再び話題を集める「CONTACT SPORTS

セクシャルウェルネスのコンセプトショップ「Contact Sports」のニューヨーク店の様子。
店舗では7本・14本のバラのブーケが購入できる(「Contact Sports」公式サイトより)

 

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執筆者

  • RINA Yoshikoshi

    NYC在住ブランド、テクノロジー系ライター / コンサルタント

    NYを拠点にブランド、リテール、ウェルネス、D2CのCPGブランドの現地市場を調査。店舗で導入される最新テクノロジーや米国での先進事例なども研究。執筆活動、リソースを元にしたマーケティング&ビジネスコンサルティングやアドバイザリーも行う。
    関心: #テクノロジー #NFT #WEB3  #ウェルネス #未来の街作り