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米国新小売業態「Powered by LEAP(パワード・バイ・リープ)」30億円の資金調達に成功 収益性を実証【Coffee Talk from NYC Vol.27】※一部AIL会員限定記事
ニューヨーク現地より、小売×テック関連の旬なトピック・体験レポートをお届け。アメリカのコーヒーブレイク中に行われるカジュアルミーティング、”Coffee Talk”にちなんで、気軽にインプットいただけるレポートを定期配信していきます。
Vol.27では、米国シカゴ発のRaaSプラットフォーマー「Powered by LEAP(パワード・バイ・リープ)」による直近のホリデーイベント「ブロックパーティ」の様子を通じて、「Shopify(ショッピファイ)」「SHIP ESSENTIAL(シップエッセンシャル)」といったIT企業との取り組みや、直近の資金調達といったビジネス面のアップデートをお届けしていきます。
関連トピック:
ブランドとRaaS 企業が共創する米国の新・小売形態「Powered by LEAP(パワード・バイ・リープ)」とは?
「LEAP」の出店ブランド一覧
現在「LEAP」がニューヨークで運営する25のブランドストアの中でも、集中して出店されているのは、マンハッタンのウエストビレッジにあるブリーカーストリートです。ここ数年、「LEAP」による多くのブランド出店があるブリーカーストリートでは、年末商戦時に「ブロックパーティー」を開催しています。ブロックパーティーとは、通りの一角で開催するイベントを意味します。
「LEAP」が主催するホリデー・ブロックパーティーは、ニューヨークのウエストビレッジ地区の改善に取り組む非営利団体「West Village BID(ウェストビレッジビッド)」と共に開催されてきました。ところが、2024年度のイベントでは「Shopify」の名称が主催者欄に新たに追記。これは「LEAP」のサービスを通じて出店するブランドの多くが「Shopify」を利用してオンラインサイトを運営していることが関係しているからではと推測します。
ブロックパーティーは、1日限り、12時~15時という限られた開催時間で、7thアベニューからブリーカーストリートを一直線に数ブロックに渡り、前回よりも広範囲でイベントが開催されました。イベントには「LEAP」のブランドストアに限らず、ストリート沿いに出店する他のショップも参加。
過去2回の開催は比較的暖冬だったこともあり、クリスマス直前の土曜日に毎年開催されるこのイベントは多くのニューヨーカーや観光客で賑わいます。3回目の開催となった2024年度は、冷え込みが厳しかったこともあり、少し寂しい印象を受けましたが、そうした中でも筆者が目にした興味深いポイントをいくつか紹介していきます。
IT企業とのコラボマーケティングを実施
以前は、飲食店やフードブランドと協賛しデザートやコーヒーの無料配布を行うブランドが目立っていました。今回は、それに加え、IT企業がイベントのスポンサーとなり、ノベルティとして刺繍のカスタムサービスや、ベーグルの無償配布といったPRが行われていました。
フルフィルメントサービスの「SHIP ESSENTIAL(シップエッセンシャル)」は、今回スポンサーとして、クイーンズを拠点にベーグルを販売する「Rollin Bagels(ローリンベーグルズ)」の移動ショップを誘致してイベントに参加。ベーグルのトッピングのクリームチーズを数種類の中から選ぶことができ、中にはベーグルをおかわりするような人もいて賑わっていました。
また、CRMをサービスとする「ENDEAR(エンディア)」は、ランジェリーブランド「hanky panky(ハンキーパンキー)」の店先で、刺繍サービスを提供。
CRMサービスの「ENDEAR(エンディア)」が店頭で提供していた刺繡サービス(筆者撮影)
執筆者
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RINA Yoshikoshi|AILメディアパートナー
NY在住ブランド、テクノロジー系ライター / コンサルタント
米国・ニューヨークを拠点にブランド、リテール、ウェルネス、D2CのCPGブランドの現地市場を調査。店舗で導入される最新テクノロジーや米国での先進事例なども研究。執筆活動、リソースを元にしたマーケティング&ビジネスコンサルティングやアドバイザリーも行う。
関心: #ファッション #フィットネス #ウェルネス #スーパーマーケット+CPG