日本経済の低迷や人口減少が今後も続くと予想される一方、昨年から復調傾向にあるインバウンド需要を目の当たりにし、海外市場の開拓の必要性を認識した企業も多いのではないでしょうか。
越境ECを中心とした海外市場の開拓はある程度普及してきていますが、一方で越境EC運営に対する課題点があることも事実です。そこで今回は、日本企業の越境先として選択されることの多いASEANについて、越境EC市場の概況、主要な越境ECプラットフォームの特徴、そして今後注目していきたい新興越境ECプラットフォームについて解説していきます。
(注)ASEAN(東南アジア諸国連合)には 10 加盟国がありますが、本記事では主要経済国であるシンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、 ベトナムの 6 カ国を対象として紹介しています
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APPARELWEB INNOVATION REPORT Vol.68
ゼロからはじめる越境EC ファーストステップ&中国・ASEAN市況総まとめ<2023 WINTER>
まずはASEAN市場から解説します。主要な越境ECプラットフォームにおいては、流通取引総額(GMV)とトラフィック規模ともに二大巨頭となるのがシンガポール発の「Shopee(ショッピー)」と「Lazada(ラザダ)」です。
「Shopee」は2015年にシンガポールで設立され、現在ではシンガポールをはじめ、マレーシア、タイ、台湾、ベトナム、フィリピン、ブラジル、メキシコを含む計11の国と地域へ展開しています。一方で「Lazada」は2011年に設立され、ASEAN市場の6カ国を中心に展開。2016年には中国のアリババグループに買収され、アリババ傘下でのノウハウを駆使しながら事業を拡大しています。
東南アジア最大級のECサイト「Shopee」は11カ国で展開(公式サイトより)
両プラットフォームの共通点として、2020年に日本法人が設立されており、日本語によるサポート体制の充実はもちろんのこと、日本からASEAN市場のエンドユーザーに商品を直送することが可能です。
例えば、日本企業が「Lazada」に出店し商品が売れた場合、その商品を「Lazada」の日本国内にある配送センターに送るだけで、まとめてASEAN現地の保税倉庫・フルフィルメントセンターへ転送され、エンドユーザーへの配達が完了するという流れです。他にも、「Shopee」「Lazada」いずれもECモール内の広告サービスを提供しており、「W11(ダブルイレブン、独身の日)セール」など大型セールの際には、クーポン券をエンドユーザーに配布する代わりに、出店者の負担額を一部補助する制度もあります。これにより、出店企業は集客を強化できるとともに、ある程度の利益率を担保することができます。
ASEAN市場では流通取引総額、トラフィックともに「Shopee」がリード 「EC×ゲーム」の独自戦略で事業拡大
シンガポール発「Shopee」のECサイト(公式サイトより)
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