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2024年春実売 ノンシーズン対応のアウターが売れ筋に【スタイルクリップ|フラッシュレポート】

山中 健|Takeru Yamanaka
株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長
執筆者

 株式会社アパレルウェブが月別にEC売れ筋情報をお届けする「スタイルクリップ」フラッシュレポート。2024年4月のレポートでは、春の実売期(2月26日~3月31日)における、カジュアル&コンテンポラリーブランドのEC売上データから、アウターの動向を読み解きたいと思います。

 

左から、ユーティリティアウター、変形Gジャン、ショート丈モッズコート

続くユーティリティアウター人気 テーラリングトレンドも広がる

 なかなか気温が上がらず、桜の開花も大幅に遅れた今年の3月。一気に暖かくなり初夏のような気温が続いた昨年とは真逆で、今年は気温の低下が響き、春アウターのニーズ減少が起こりました。その傾向は対象ブランドのデータからも見て取れます。防寒アウターや、コートの中に着用できるインナーアウターが売れ筋となり、端境期のような状況となりました。

 例えば「パーカー」「モッズコード」「デニムジャケット」「MA-1」など秋も着られる定番アイテムや、先月同様に「テーラードジャケット」「ブレザー」が好調です。メンズアイテムから派生したロングトレンドのユーティリティ(機能的な)アウターは、ウィメンズでも定着。一方、2022年春夏コレクションから派生したテーラリングトレンドが、2年経ってリアルマーケットに広がりを見せているようです。

 一方で「ベスト」「Vネックカーディガン」といった羽織りものなど、昨年春の高気温下で売れたアイテムは、今年度はその数を大きく減らしています。

■アウター出現率ベスト20 (単位%)

※出現率=売上データでのキーワードの出現数/全体の売上点数

ウィメンズにも広がるユーティリティアウター

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執筆者

  • 山中 健|Takeru Yamanaka

    株式会社アパレルウェブ コンサルティングファーム主席研究員、apparel-web.com編集長

    大手百貨店、外資系ブランドメーカー、大手経営コンサルタント会社を経て、コンサルタントとして独立。アパレル業界を中心に、雑貨などのライフスタイル、百貨店、SCなど、幅広い業態に対しマーケティングやMD、リテール、海外進出のコンサルティングを手掛ける。トレンド分析、市場調査、戦略策定などのマクロなテーマから、個店支援、研修などの現場へのブレイクダウンまで様々なテーマのコンサルティングに対応可能。また、欧米、アジア、国内のコレクション取材やファッションマーケット調査を数多く行っており、国内外のファッションビジネスの動向を語ることができる貴重な存在として注目されている。2009年にアパレルウェブコンサルティングファーム主席研究員、2011年にapparel-web.com編集長就任。