ファッションの分野でセカンドハンド品の需要が年々高まる中、セカンドハンド品を購入できるビンテージショップはもちろん、売買ができるフリマアプリ、そして買取サービスなどの利用が広がっています。そうした中、従来とは異なるスタイルとして、中古品を「交換」できる「SWAP SHOP（スワップショップ）」が選択肢の一つとして広がりつつあります。この「交換」という選択肢は新しいものではなく、英国では昔から親しまれてきた方法でもあります。今回は、セカンドハンド品の集まる拠点として再注目される「SWAP SHOP」の英国・ヨーロッパでの最新の取り組みをまとめて紹介していきます。

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■こちらはアパレルウェブ・イノベーション・レポートVOL.72の転載記事です

 

関連トピック：英Primark（プライマーク）が店頭サービス拡大　クリック＆コレクト・中古品交換ショップの取り組み

英ファストファッション「PRIMARK」が「SWAP SHOP」を限定展開

　英国を中心にグローバルに450店舗を展開するファストファッションブランド「PRIMARK（プライマーク）」は、低価格帯の商品を提案する、主に若年層の圧倒的な支持を集めるブランドです。同社は高まるセカンドハンドの需要に応える形で、ビンテージショップと提携し、店舗の一部でセカンドハンド品を扱うショップインショップを運営しています。そして今回、新しく期間限定のイベントとして、「SWAP SHOP」を開催しました。

 

ロンドン、オックスフォードストリートにある「PRIMARK」の代表的な店舗。
オンラインショップに配送サービスは設けられておらず、購入品は一部店舗でのみ受け取れる

 

　「SWAP SHOP」は、ロンドン・マンチェスター・バーミンガムの主要都市の「PRIMARK」の店舗に限定し、それぞれ2～3日間の短期間イベントとして開催されました。

　「SWAP SHOP」とは、その名の通り「洋服の交換」が行えるイベントです。参加する顧客は最大5点まで、不要になった洋服や、バッグ・帽子・スカーフなどのアクセサリーを持参し、持ち込み点数に応じて交換に使えるトークンを受け取ります。その後、1トークンあたり1点の洋服を自由に選べるという、シンプルなルールです。高級ラグジュアリーブランドのセカンドハンド品を持参した場合には、特別なゴールドトークンが付与されます。ゴールドトークンは、ラグジュアリーブランドカテゴリの中から希望の洋服を選ぶことができます。イベント期間内に交換されなかった洋服などは、次回の「SWAP SHOP」イベントで再利用されるか、地元のチャリティーショップに寄付されます。

交換専門のスタートアップ企業 Verte （ヴェルト）社

　今回、「PRIMARK」と提携して「SWAP SHOP」イベントを行ったのは、ロンドン発のスタートアップ企業Verte（ヴェルト）社です。同社は、ファッションの循環経済において、洋服の交換を行うことを専門としたサービスを展開している企業です。「PRIMARK」などとの企業タイアップでイベントを開催するほか、Verte社主催で洋服の交換イベントなどを開催しています。

 

 

 

 

 

 

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「PRIMARK」店舗で行われた「SWAPSHOP」の様子。交換用の洋服は提携しているVerte 社より提供
（Verte 社公式Instagram @verte.london より）

 

　Verte社の事業としてのメインの売上は、イベント参加費用です。交換イベントに参加する顧客からは20ポンド（約4,000円）程度の参加費を徴収しています。また、企業とのコラボレーションで行われる無料イベントなどでは、企業側から誘致の手数料などを徴収しているようです。このように同社では、セカンドハンド品の需要の高まりに対して、買取や販売とは異なるスタイルである「交換」を、サステナブルな取り組みとして積極的に提案しています。

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