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【第1回|前編】 Amazon、Uberのビジネスモデルより進化している「美団」を知ってますか? ーWEB限定|緊急インフレ特集「ニューノーマル2.0」に備えよ!
コロナ禍で「ニューノーマル」という言葉が謳われるようになり早2年程が経ついま、2021年あたりからグローバルレベルで波及しているサプライチェーンの混乱は、未だ改善の目途が立っていません。2022年に入ってからはさらに、地域紛争と歴史的インフレーションがダブルで各国の経済状況に影響を及ぼしています。
米国の中央銀行制度の最高意思決定機関である連邦準備理事会(FRB)をはじめ、複数の経済研究機関の予測によると、米国経済は2024年まで厳しいインフレーションが続く可能性が非常に高いと発表されました。そして、そのまま景気後退に突入する可能性すらも懸念されています。想像以上に、世界経済は厳しい状況に置かれています。特に米国のテック業界と小売業界では人員削減が相次いでいます。これはある種、新たな「ニューノーマル」が到来しているともいえる状況ではないでしょうか。
そこで、現在の厳しい経済状況下において、グローバル先進企業がどのように顧客とのエンゲージメントを強化しビジネスを継続させているのか、とりわけ逆風を受けて成長する二次流通やオフプライス(ブランドの余剰在庫などを買い取り、割引価格で販売する業態)に着目し解説。欧米や中国の先進企業の取組事例を紹介しながら、「ニューノーマル2.0」に備え、経済危機を乗り越えていくための「サバイバルヒント」を全4回の特集でお届けしていきます。
第1回では、米国と中国の最新小売市況をお届け。リワードプログラムや会員サービスの改善による顧客とのエンゲージメント強化を通じて、各社がどのように売上向上や新規顧客獲得に成功しているのか、「Amazon」や「J.C. Penney」、中国の「美団」の事例をもとに解説します。
第1回 Amazon、Uberのビジネスモデルより進化している「美団」知ってますか?(前編・後編)
第2回 再販ビジネスもターゲット顧客や用途別に多様化「リセール2.0の世界」(前編・後編)
第3回 欧州では「修理サービス」がトレンド! サステナブル文脈を生かして顧客基盤を拡大(前編・後編)
第4回 苦境に抗う米D2C、サブスクリプション業界。2023年はリワードプログラムと店舗戦略が鍵! (前編・後編)
年末商戦は目前! 新サービス「Amazon Access」でセールを効果的に発信
10月に入り、米国では、感謝祭やBlack Friday(ブラックフライデー)にくわえ、早くも年末商戦モードに突入しています。一年の中で最大の消費が期待される時期ですが、米国の大手調査会社Gartnerが発表したレポートによると、今年の米国の年末商戦における消費予想額は2021年と比較してわずか10%増といわれています。そのため、各社があの手この手を使い売上確保に向けて動いています。
例えば、米Amazonは「Prime Day 2.0」と称し、通常年1回のPrime Dayセールを今年は2回実施すると発表しました。2回目は、今年の10月11日と12日の二日間、グローバルで実施されます。しかしながら、単純なセールには限界があるため、小売各社は会員特典(リワードプログラム)や、自社サービスの利便性を重点的に改善することで、顧客とのエンゲージメント強化を狙う傾向が見受けられます。
事例をいくつか見ていきましょう。